植物学者・稲垣栄洋さんの「なぜ仏像はハスの花の上に座っているのか」を読み終えました。
今までは、社会科学に関係するの本ばかり読んでいたのですが、自然科学の分野の本書から多くの刺激を受けました。
稲垣さんは、人間について「私たちの存在は、思考をつかさどる脳に、あるように思えるかも知れません。しかし、脳もまた、およそ百五十億個の細胞の集まりに過ぎません。細胞が分担をする中で、単に思考をする役割を担っているだけなのです。」と述べています。
その上で、稲垣さんは、「脳のない植物に知恵がないと考えるのは、脳を発達させた人間の勝手なものの見方だ、と植物は笑っていることでしょう。脳はなくても植物は水を求めて根を伸ばします。光を求めて茎を伸ばし、季節を感じて、ちゃんと正しい時期に花を咲かせます。自然のしくみを理解し、自然の摂理の中で生きているのです。」と人間と植物の同一性を説きます。
稲垣さんの思考は、地球から宇宙に及びます。
「かけがえのない地球の上で、たくさんの生命が生まれ、泣いたり、笑ったりしています。そんな多くの生命が地球という生命体を支えています。もしかすると、その地球さえ、宇宙という巨大な生命を支えるいくつもの生命の一つに過ぎないのかも知れません。」
稲垣さんのこれら文章を読むと、更に、前回も引用したこの言葉が重く私の心に届いてきます。
「けっして人間の生き方が高級で、植物の生き方が低級ということはありません。」
稲垣栄洋著「なぜ仏教はハスの花の上に座っているのか」は、私の世界観に大きく影響を与える1冊となりました。
私の座右の書の一冊となりました。
月曜日は、中学校の入学式です。PTA会長挨拶を今、準備中です。
稲垣さんの本を引用して新一年生にメッセージを届けたいと思っています。
これからも稲垣栄洋さんから多くのことを学びたいと思います。
読書は人生を豊かにしてくれるものですね。
皆さん、最近読んだお勧めの本をご紹介下さい。
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