議員日誌

米、核戦力強化へ大転換

 トランプ米政権は、2日、核政策の今後の指針となる「核態勢の見直し」(NPR)を公表しました。

 核兵器の役割を低下させ、核軍縮を進めるとしたオバマ前政権の方針を転換し、低爆発力の核弾頭や新型核巡航ミサイルの開発によって、核戦力の強化・近代化を進める方針を示しました。

 核兵器禁止条約が国連で採択されるなど、世界が核兵器廃絶を目指す中、それに真っ向から逆らうものです。

 河野太郎外相は3日、トランプ米政権が発表した新核戦略指針「核態勢の見直し」(NPR)を「高く評価」し、核抑止力を含めた日米同盟の抑止力強化を目指すとした談話を発表しました。

 アメリカの「核態勢の見直し」方針を見て、西郷隆盛の「南洲翁遺訓」11を想起しました。

 猪飼隆明さんの訳で見て見ます。

 西郷隆盛は「文明」とは「道理が広くいきたわって行われることを褒め称えた言葉」としています。

 西郷隆盛は、この点から「西欧は野蛮」といいます。

 「西洋が本当に文明の国ならば、未開の国に対して、慈愛の心を持って接し、懇々と説諭を加えて開明に導くはずであろう。ところが、現実はそうではなく、相手が未開蒙昧の国であればあるほど、むごく残忍に振る舞ってきたではないか。これこそ野蛮と言わすして何ぞ」

 西郷隆盛が現代に生きていたならば、アメリカの「核態勢の見直し」方針を「野蛮な方針」と断じたと私は思います。

 また、西郷隆盛は、「南洲翁遺訓17でこう述べています。

 「その国が強大であることに恐れをなし縮こまってしまって、ことが起らなうようにと摩擦を避けて、その国のいいなりになるなら、軽蔑やな侮りを受け、好ましい交際はかえって破談してしまい、終いにはその国の掣肘(干渉、横やり)を受けることになってしまうものだ。」

 アメリカの「核態勢の見直し」方針を「高く評価」する河野外相の姿勢を西郷隆盛が現代に生きていたならば、国際社会から「軽蔑や侮り」を受けるものと批判したと私は思います。

 日本原水協事務局長の安井正和さんは、アメリカの新核戦略について次の談話を明らかにしています。

 「『米核態勢見直し』は、核兵器禁止・廃絶を求める諸国民と市民社会に対するあからさまな挑戦です。アメリカの反核平和団体が批判の声を上げ、行動を呼びかけています。連帯を強化し、米トランプ政権の核兵器政策、逆流を打ち破らなければなりません。日本の河野太郎外相が『高く評価する』としたことは、被爆国の閣僚としてあるまじき恥ずべき態度です。2020年までに『ヒバクシャ国際署名』を世界数億という目標で集め、核兵器廃絶を求める圧倒的世論をつくることが求められます。」

 安倍政権は、被爆国政府としての役割は発揮し、被ばくの実相を真正面から米国に訴えて、核戦力強化の新方針の撤回を求めるべきです。

 アメリカが新核戦略方針を明らかにしました。皆さんのお考えをお教え下さい。

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