議員日誌

和顔なれど愛語ならぬ首相答弁

 昨日の参院予算委員会で、学校法人「加計学園」獣医学部新設の疑惑をめぐり午前中の民進党の蓮舫議員の質問と、午後の日本共産党の小池晃議員の質問をテレビで視聴しました。

 安倍首相は、愛媛県今治市に国家戦略特区を活用して獣医学部を新設する計画の対象が「加計学園」であることを知ったのは、「今年1月20日だ」だと答弁しました。

 今年5月9日の参院予算委員会で森ゆうこ議員が「加計孝太郎氏が今治市で国家戦略特区による獣医学部新設の希望を持っていることを知ったのか。」との質問に対し、安部首相は「加計学園が、当然これは特区に申請を今治市が出し、特区に申請した段階において東京から説明を受けているわけで、その段階で当然総理大臣として知りえた。」と答弁しました。

 今年6月5日の参院決算委員会で平山佐知子議員が「大親友である加計さんが、ずっと獣医学部を新設したという思いであったことは当然ながら知っていただろう。」との質問に対し、安部首相は「これは安倍政権になってから、国家戦略特区に、その申請を今治市とともに出された段階で承知した。」と答えました。

 安倍首相は、今治市が申請した、2015年6月には、加計学園が獣医学部を新設しようとしていることを知っていたとこれまでは答弁していたのに、昨日の予算委員会で、知ったのは、「今年1月20日」だと答えました。

 小池議員は、「明らかな虚偽答弁」と指摘をしましたが、私も全く同感です。

 今朝のしんぶん赤旗の朝刊に、中祖記者が、このような「虚偽答弁」が生まれた背景をこう分析しています。

 「首相の意図は見え透いています。昨年9月以降、和泉洋人首相補佐官や内閣府、萩生田光一官房副長官などが文部科学省に対し、加計学園の獣医学部新設認可を早急に進めるよう強い圧力を加え続けたことが鮮明になる中で、『首相は関知せず』という、『ストーリー』をつくり、自分を守ることを最終戦にするものです。」

 安倍首相は、「丁寧な説明」「(政策決定には)一点の曇りもない」を口では繰り返します。

 実際に、この二日間の衆参両院の予算委員会での安倍首相の発言態度は、「声を荒らげる」ことも「挑発する」こともなく「和顔」だったのかも知れません。

 昨年の8月末から9月にかけて、加計孝太郎氏が、山本農水大臣、山本地方創生大臣、松野文科大臣に面会していることが、小池議員の質問で明らかになりました。

 安倍首相は、この時期に何度も加計孝太郎氏と会食・ゴルフを行っているのに、加計学園が事業主体と知ったのは、今年1月20日だといいう説明に納得した国民はいなかったのではないかと思います。

 真実を語らない安倍首相の姿勢は、「安倍政権の自浄能力は示されず、法治主義の崩壊状況を露呈する」と中祖記者が今朝のしんぶん赤旗で指摘した通りです。

 安倍首相の昨日の答弁は、国民に対し「和顔なれど愛語ならぬ」答弁と言わなければなりません。

 真実を語らない「和顔」は、国民の不信を一層深める結果になるでしょう。

 安倍首相は、真実を語るべきです。加計学園が事業主体だと知ったのは、「今年1月20日」などとする答弁は撤回すべきです。

 皆さんは、加計学園問題での安倍首相の発言をどう受け止めましたか。感想をお聞かせ下さい。

 

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