9日の山口新聞は「各都道府県が医療供給体制の将来像を示す『地域医療構想』で、2025年に必要な病院のベッド(病床)数は、13年時点の134万床余りから約15万6千床、11.6%減少する見通しとなることが分かった。」「削減率が最も大きいのは鹿児島県で34.9%。32.0%の山口をはじめ、熊本県など計8県が30%を超え、20%台も19県ある。」と報じました。
共同通信の調査で明らかになた病床削減率のワースト1位は、鹿児島県の34.9%(1万680床)で、山口県の32.0%(7481床)はワースト7でした。
日本共産党は、2016年の参議院選挙時の政策で「『医療費適正化計画』による給付削減の改悪に反対します」と訴えています。
「医療費適正化計画」は、医療給付費の総額管理(キャップ制の導入)という財界の提言に押され、2006年に法制化された仕組みです。
安倍政権は、2015年の「医療保険改悪法」に、「医療費適正化計画」にかかわる一連の制度改変を盛り込みました。
今回の改定で、「医療費適正化計画」には、医療給付費の「予想」だけでなく「目標」が明記されることになり、都道府県には、病床機能の再編、後発医薬品の使用促進、給付の効率化など「目標」達成に向けた努力が義務付けれらました。「目標」を着実に達成するために、都道府県が「適正化計画」の進行状況を毎年検証することや、「目標」と実績とが乖離した場合に分析と対策を講じることも法律に位置付けられています。また「適正化計画」が定める医療給付費の「目標」と「地域医療構想」による病床削減、「国保運営方針」による国保の財政運営を「整合」させることも、法文に明記されました。
「医療費適正化計画」とその中での「地域医療構想」「国保運営方針」などは、都道府県に医療給付費の総目標をかかげさせ、病床削減や国保の給付削減などで給付抑制を競わせるものです。
日本共産党は2016年の参議院選挙時の政策の中で「住民の命と福祉を守る地方自治体を医療切り捨ての先兵に使う改悪など許されません。日本共産党は『医療費適正化計画』による強権的な給付費削減の推進に反対し、都道府県・市町村を医療切り捨てに動員する仕組みの撤廃をめざします。」と述べています。
山口新聞で医療政策に詳しい東京財団の三原岳研究員は「『合意に基づく在るべき医療供給体制の構築』と『病床削減』という異なる目的が混在して現場は困惑している。強引い進めるより、住民を含めた関係者の納得を得ながらの方が最終的には成果が出るだろう」と述べています。
安倍政権は、地方のベッドを減らすという点でも強権政治を加速させようとしています。
2025年までに、全国で、15・6万床、山口県で7400床の病床を削減するという「地域医療構想」を皆さんはどうお考えですか。ご意見をお聞かせ下さい。
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