議員日誌

山口県の牛繁殖農家数この5年間で30.7%減

 24日付読売新聞は、「和牛の子牛価格が、この5年で2倍に高騰している。繁殖を手掛ける農家が高齢化などで相次いで廃業し、子牛の出荷頭数が減っているためだ。店頭での牛肉価格上昇にもつながっており、食卓への影響も出始めている。「畜産王国・九州」の中でも、繁殖農家数が前項1位の鹿児島県と2位の宮崎県は、基幹産業が危機的な状況に陥りかねないとして、繁殖農家への支援や、後継者育成など強化対策に乗り出している。」「全国の繁殖農家は小規模の家庭経営がほとんどだ。03年には8万6000戸だったが、11年には5万7100戸になり、16年には4万2200戸まで減少。この5年間で約4分の1が廃業した計算で、出荷頭数も約14%の減だ。」と報じました。

 山口県の2016年の繁殖農家数は346戸で、11年度比マイナス30.7%と全国平均を大きく上回る減少率となっています。

 私は、県の繁殖農家の大幅減少の背景の一つに、県の委託牛事業の縮小があったと思います。

 具体的には、県が育成牧場を廃止したことが一因にあると思います。

 2013年、育成牧場が存続していた時の委託牛育成事業費は予算ベースで4232万円あり、肉用牛と乳用牛を秋吉台で最大2年育成していました。

 1016年の委託牛育成事業費は、予算ベースで、1634万円です。委託を受けるのは、乳用牛に限定され、美祢市の畜産技術部本場で受託するのは約6カ月で、その後は、北海道での預託に移行されます。

 2013年3月14日、県農林総合技術研究センター委託牛研究会は、「畜産に携わる我々にとって経営継続が大いに危惧される事態であり、今のままでは後継牛の確保が困難となり、生産基盤の弱体化を加速させかねない問題」として「育成牧場の存続」を県に要望しました。

 当時、私は、2013年6月県議会でこの問題を取り上げました。

 山口県は、2016年3月「山口県酪農・肉用牛生産近代化計画書」を作成し、10年間を見通した計画を策定しています。

 肉用牛の飼育頭数を現在の17000頭から18000頭にする計画です。

 この計画には、委託牛育成事業については触れられていないようです。

 「畜産に関わる我々にとって経営継続が大いに危惧される事態」と関係者が要望した「委託牛育成事業」の拡充も、山口県の酪農・肉用牛農家を振興していく上で、必要な事ではないかと思います。

 酪農関係者の方々のご意見をお聞かせ下さい。

 

 

 

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