議員日誌

小倉寛太郎著「自然を生きる」

 2016年5月から10月2日までに、WOWOWの「連続ドラマW」枠でテレビドラマ化され放送された山崎豊子原作の「沈まぬ太陽」をDVDで観始めました。全20話。DVD10巻の大作です。今、第2話まで観ました。

 映画では、渡辺謙が演じた主人公の恩地役を、上川隆也さんが好演しています。

 上川さんは、NHKで放送された山崎豊子原作「大地の子」にも出演された経験があります。

 不正を許さず、節を曲げない恩地の生き方にWOWOWのドラマで大いに感動しています。

 後半で御巣鷹山篇も描かれるようで、今から楽しみです。

 山崎豊子さんの原作の読み直しと合わせて、年末年始の私の楽しみにしたいと思います。

 私が、本ブログ(2009年10月27日)で書いたように、「沈まぬ太陽」の恩地にはモデルがあり、そのモデルは、小倉寛太郎さんです。

 改めて小倉寛太郎さんの「自然に生きて」という本を読み直しました。

 小倉さんは、労働組合の委員長を経験した後、東アフリカの各地での海外勤務が続きます。

 その時以来、小倉さんは、アフリカの自然や動物を日本に伝える活動を行ってこられました。

 小倉さんは、「東アフリカとの縁ができたのは、会社のおかげじゃないのか、会社に感謝しろという冗談半分に言う方もいらっしゃりますけど、わたしはそう思いません。」と述べ次のように書いておられます。

 「要するにどこにどう飛ばされようと、転んでもただけは起きない、そのあつかましさと楽天性は大切だというふうにわたしは考えております。」「カラチでもテヘランでも、(中略)この土地でしかできないこと、たとえばその土地の事情を勉強する、野生動物の写真を撮ることでもいい、それらを貪欲に勉強しようと考えてきました。」

 私が空手や仏教やコーラスと出会ったのも、自分が求めたというより、人との出会いの中で、巡り合ったものでした。

 今でもどれもいい勉強になっていると思っています。

 野生動物と接してきた小倉さんだからこその平和を見る視点を感じます。

 「野生動物の同一種内の殺し合いはごく限られた場合だけです。餌をとる場合には殺しますが、不必要な殺し方はしない。ヒョウ、イタチなどによる特殊な例外は報告されていますが、野生の肉食獣は原則として必要以上に殺戮はしません。

 「これは逆の言い方をすると、貯蔵の手段ができる、自分の欲望を終息するものを貯槽することができるようになると、欲望は際限なくなるということです。」

 動物と人間を比較して小倉さんは次のように書いておられます。

 「生物の同種のなかで殺し合いをすることは、なかなかないと先にのべましたが、その点で、仲間殺しは人間の専売特許に近いですね。」

 「殺し合いをするのには(中略)体力はいるし、精神的にも負担がかかる」

 「人類は不幸にして、仲間殺しに道具を使いはじめた。(中略)石、棍棒、刀、槍、弓矢、鉄砲、大砲、軍艦、飛行機、爆弾、原爆、毒ガス。これらを使えば肉体的にも精神的にも疲労なく『効率よく』人が殺せます。

 「『わたしは原爆のボタンを押したことを後悔していない』というアメリカの爆撃士が言っているのを新聞で読みましたが、その人たちに、犠牲者10万人の苦悶の表情をダーッと一人ひとり次々に見せて、『すっと見てろ』と言ったら、やはりその人は気が狂ってくると思います。」

 「このように大量殺戮兵器、特に遠距離殺戮兵器は、人類の心理を奇形化させてしまいました。この心理の奇形化は、さらにより効率的な殺人道具の研究・開発を推し進め、それによってできた新兵器は、ますます心理を奇形化していくという悪循環に陥れます。これが、人類の歴史の一つの側面です。

 「『万物の霊長』などと言っていますが、動物それぞれの種について、その種の成立以来の総個体数を分母におき、分子にその種の同種内殺戮の犠牲者の総数をおいたら、ホモサピエンスと称している人間が、飛び抜けて数字が大きいのではないでしょうか。特に火薬の発明以来の人類のデータは他の種に比べて天文学的数字の倍率になると思います。」

 実に興味深いお話しです。

 日本共産党第27回党大会決議案は、2016年10月27日、国連総会の第1委員会が、核兵器禁止条約の締結交渉を来年開始する決議案を、賛成123カ国という圧倒的多数で採決したことを取り上げています。

 そして、次のように書いています。

 「核兵器禁止条約に、かりに最初は核保有国が参加しなかったとしても、国連加盟国の多数が参加して条約が締結されれば、核兵器は人類史上で初めて『違法化』されることになる。あらゆる兵器のなかで最も残虐なこの兵器に『悪の烙印』をおすことになる。そうなれば、核保有国は、法的拘束は受けなくても、政治的・道義的拘束を受け、核兵器廃絶に向けて世界は新しい段階に入ることになるだろう。」

 ホモサピエンスと称する人間が作り出してきた最悪の同種内大量殺戮兵器=核兵器(同種だけではなく地球に生存する全ての種を滅ぼしかねない存在)を人間の英知で「悪の烙印」を押そうとする核兵器禁止条約締結交渉の開始を心から歓迎するものです。

 大会決議案はこの問題の日本政府の姿勢について次のように指摘しています。

 「日本政府は、これまで、核兵器禁止条約の交渉開始を求める国連総会の決議には『棄権』を続けてきたが、今回の歴史的決議にさいしては、アメリカのどう喝に屈してさらに後退し、『反対』の態度をとった。唯一の戦争被爆国の政府にあるまじき、日本国民の意思を踏みにじる態度として、きびしく批判しなくてはならない。」

 人間が「万物の霊長」になる第一歩は核兵器を廃絶することではないでしょうか。

 2002年に逝去された小倉さんも、核兵器禁止条約締結交渉の開始を歓迎し、日本政府の姿勢を憂慮されていると思います。

 小倉寛太郎さんの「自然に生きて」は私に多くの事を教えてくれます。

 これからも座右の書として読み直し続けていこうと思いました。

 

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