先日、三上智恵監督の映画「戦場ぬ止み」の上映会に出向いた際に、三上監督の著書「戦場ぬ止み」を購入し、読み終えました。
同感したところや感動したところや勉強になったところにえんぴつで線を引いていたら線だらけになった本でした。
三上監督の文章は、分かり易く、深く、未来を拓く内容でした。
この本からいろいろ紹介したいところですが、「生命のホットスポット大浦湾」という小論を紹介したいと思います。
三上監督はこのように述べています。
「国際期間IPCC(気候変動に関する政府間パネル)によれば、2050年を待たずに地球上のサンゴは成長不可能になると予想されている。サンゴ礁の海は、地球の海全体から見てたったの2%の面積しかないにもかかわらず、魚種の65%がそこをすみかとしている。であれば、サンゴ礁が消滅すれば、海は人類を食わせていくことができなくなるだろう。熱帯・亜熱帯の海は生命多様性に富み、命が濃い。逆に北極・南極の寒い海や深い海では、数はいても種が少ないため、絶滅種が出ると影響が甚大だ、命湧く暖かい海の環境を世界中の学者が心配しているのは、そのためなのだ。」
生命多様性が豊かで、周囲に命を供給する役割を担う場所を「ホットスポット」という。沖縄本島沿岸でいえば「ホットスポット」が大浦湾だと三上監督は指摘します。
アメリカ軍は、50メートルの深さがある大浦湾に空港と同時に軍港を作りたい思いが半世紀前からあります。
今、アメリカ軍は、オスプレイを乗せる強襲揚陸艦「ボノム・リシャール」号を接岸できる軍港を作りたいのだと三上監督は指摘します。
その上で三上監督は、このように怒りを私たちに届けます。
「米軍にとって好都合なのと、人類を生かす海そのものが迎えている危機と、どちらが優先なのか。ホットスポットを埋めて、他を残しても意味がない。つまり、人間にたとえれば、手足を刺されて生き延びることはできても、心臓を刺されたら死んでしまう。大浦湾を埋めるということは、沖縄本島沿岸の自然にとどめを刺すことと同じなのだ。そんな大切な場所をわざわざ選んで土砂で埋めるというのは、暴挙でなくて何であろうか。」
生命のホットスポット大浦湾を埋めるために、山口県の瀬戸内海の土砂も運ばれようとしています。
県民の世論でそれを阻止し、生命のホットスポット大浦湾を守ろうではありませんか。
地球的規模で考えて、この道こそが最良の道だと私は考えます。
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