葉室麟さんの随筆集「柚子は9年で」を読んでいます。
直木賞受賞後の「柚子の花が咲くとき」という随筆は胸に沁みます。
葉室さんは、仕事の傍ら文芸誌が主催する新人賞に応募してきました。
「一次は通るけど」を繰り返す葉室さん。
「しかし、50歳になった時、『このままでいいのだろうか』とふと思い直した。」
「若いころに抱いた夢や思いを何ひとつ成し遂げることなく、いたずらに歳月は過ぎ去っていく。」
「自分の残りの時間を考えた。10年、20年あるだろうか。そう思った時から歴史時代小説を書き始めた。」
その中でも一番心に沁みたのが次の言葉です。
「時間は長くなりはしないが豊穣にはなっていくのだ。」
葉室さんが、本格的に歴史時代小説を書き始めた年齢に私もなりました。
50歳から筆を磨き、直木賞を受賞した葉室さん。
50代の鏡のような方です。
この年になっても夢を捨てない。
時間は長くならないが豊穣していく。
私は、この言葉を胸に4月に行われる私にとって7度目の選挙に臨みたいと思いました。
葉室さんいい言葉をありがとうございました。
この随筆の底流となっている葉室さんの「柚子の花咲く」を読んでみようと思います。
読書は心を豊かにしてくれます。
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