高坂勝著「減速して自由に生きる-ダウンシフターズ-」を読んでいます。
高坂さんは、百貨店の女性服売り場で働くやり手社員でした。
高坂さんは、30歳で脱サラし、飲食店のアルバイトを中心に様々な経験を重ね、2004年からオーガニックバーを開業しました。
それまでのエピソードがじっくり語られ、面白く読んでいます。
ダウンシフトについて、高坂さんは、次のようにまとめています。
「経済至上主義から降りることで人間が本来有している幸せと安心の価値に戻り、足るを知る営みになり、分かち合う充足を得る、懐かしいようで斬新な具体的手段です。」
この考え方は、私が昨年の夏に読んだ「里山資本主義」に通じるものがあるように感じました。
高坂さんは、退職前に大きなシステムに気付いたと書いています。
「バブル崩壊以降15年間、個々人の購買力が減り、購買層の人口も減ってくる中で、少ないパイを奪い合っているだけなのですから。どこかの会社が売上を上げれば、どこかが下がる。粗利を上げるために、より小さな取引先に無理を強いる。(中略)他の店も含めて全店が返品したら、小さいな取引先は返って来た商品に埋もれて破産するかもしれないことくらい、私でもわかりました。(中略)「それが資本主義の掟だ!」(中略)そう言って、加害者の側である自分を正当化するしかありませんでした。」
来月から消費税が8%に増税されます。年金が下がり、労働者の賃金は上がらないまま、増税と、それによる各種料金の値上げが、国民の暮らしを直撃することは必至です。
そうなると、国民の購買力は減り、物が売れず、中小企業を中心に無理が強いられる。このような事態になることは明らかではないでしょうか。
豊かな所にある富を好循環させれば、増税なしで日本を立て直すことは出来ると思います。
消費税増税目前の今、そんな気持ちを抱きながら、この本を読んでいます。
一人ひとりの国民が豊かに暮らせる社会をという一致点で、大いに参考になる本だと思いました。
今一度、社会を見つめ直す機会を与えてくれた良著です。
引き続き、読み進めていきたいと思います。
この本を読んだ皆さん、感想をお聞かせ下さい。
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