昨年の6月からWOWOWで、相場英雄さん原作の「震える牛」がドラマとして放映されました。
DVDのレンタル開始を待っていたのですが、今日、借りて1話から見始めています。
ドラマを見始めて、やはり、この作品は、社会派の力作であることを痛感しています。
小説の文庫版の解説で文芸評論家の西上心太さんが「『食の安全』への背信。地域社会の破壊も厭わない『大規模焼き畑商業』。本書はこの二つのモラルハザードをテーマにした社会派警察小説である。」と書いていますが、指摘の通りの作品です。
西上さんは、「食の安全」を後回しにし「安さ」を最優先する経済状況に「『安全』な食材を仕入れ、従業員に適正な給与を払い、きちんとした利益を出す。経済活動におけるそんな当たり前のことが、じはたしてできているのか。」と指摘しています。
西上さんは、「大規模焼き畑商業」について「ひとたび不採算となればさっさと閉店して、その土地を去ってしまうのだ。あとには何も残らない。『焼き畑』と揶揄される所以である。」と指摘しています。
その上で、西上さんは、「相場英雄の手柄は、この二つの問題を声高に主張するのではなく、警察小説の器に巧みに盛り込み、読者の前に見事な一皿として提供したことにある。」と述べています。
この小説に魅了された一人の読者として、西上さんの指摘に拍手を送りたくなりました。
小説をお読みでない方は、是非とも一読をおすすめします。
WOWOWを見逃した私は、これからドラマを満喫したいと思います。
WOWOWでは、これから相場英雄さんの「血の轍」のドラマが放映されます。
昨年の夏に「血の轍」を読んだ私は、DVDのレンタル化を楽しみにしています。
この次は、「共震」のドラマ化をぜひお願いしたいと思います。
今年も相場作品から目が離せません。
次回作はどんなテーマでしょうか。今から楽しみです。
相場ファンの皆さん、感想をお聞かせ下さい。
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