議員日誌

比例定数削減を考える学習講演会

 本日、山口市内において、山口憲法会議などが共催する比例定数削減を考える学習講演会が行われ参加しました。

 講師は、神戸学院大学の上脇博之教授です。

 議員定数削減問題の学習会で講演する上脇教授

 民主党は、2010年参議院選挙のマニュフェストで衆議院の比例定数の80削減を掲げました。

 今国会で、民主党は、次回選挙で衆議院の比例を40削減し、次次回選挙で比例を75削減する法案を提出しました。

 法案は廃案になりましたが、今、財界を中心に比例を削減し、衆議院は完全小選挙区制に移行すべきとの論調が盛んに出されています。

 上脇教授は、「小選挙区制導入で、消費税増税など新自由主義政策の強行が相次いぎ、格差社会が拡大した」と述べました。

 その上で上脇教授は、「1993年衆議院選挙の死票は25%未満だったが、小選挙区制が導入された96年衆議院選挙で死票は55%となった。自民党や民主党などは、4割台の得票で7割台の議席を得ている。」と話しました。

 上脇教授は、「無駄を削る」「政治家も自ら身を切る」論の問題点として①国会議員が国民代表であることの自覚の欠如②比例削減により「切る」のは「わが身」ではなく、「他人(小政党、革新政党)の身」である!③決して、重大な「政治とカネ」問題を「切る」と言わない、点をあげました。

 ②に関して、上脇教授は、05年総選挙と09年総選挙の結果を元に比例80削減を試算すると、05年で自民党、09年で民主党は、議席占有率を増やす結果となり、小政党は逆に減らす結果となることを指摘しました。

 ③に関して、上脇教授は、企業・団体献金の全面禁止と政党助成金の廃止に踏み込まないことはおかしいと指摘しました。

 上脇教授は、各国の人口10万人あたりの国会議員数を比較すると日本の国会議員数は少ないことを指摘し、大統領制・連邦制のアメリカと議員数を単純比較するのはナンセンスと指摘しました。

 結論として上脇教授は、衆参いずれも比例代表選挙制だけにすることが必要だと述べました。

 山口県議会でも選挙区問題協議会が設けられ私も委員の一人として参加しています。

 地方議会でも議員定数削減の嵐が吹いています。

 議員を減らす競争はやめて、「中立・公正な選挙制度」「民主主義が徹底される定数」の観点で慎重な検討を行うべきだと今日の学習会を通じて感じました。

 議員定数削減問題に関する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

 

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