議員日誌

映画「あなたへ」

 降旗康男監督の映画「あなたへ」を観ました。

 主演は高倉健。私は、高倉健のファンです。任侠映画以後の高倉ファンです。

 20代の頃から映画好きになり、高倉健主演映画で最初に好きになったのが「海峡」です。

 高倉健は、青函トンネルを造る技術者の役でした。

 高倉演じる技術者が働く建設会社の宿舎は、津軽海峡先端辺り。宿舎の近くで小料理屋を営んでいるのが吉永小百合演じる女性でした。

 二人は魅かれあっているのに、それを口にしない。二人は黙って、酒を酌み交わす。こんなシーンを思い出します。

 青函トンネルが完成し、高倉演じる技術者がガッツポーズを取るシーンも忘れられません。

 その後に映画館で観た「居酒屋兆治」「鉄道員(ぽっぽや)」「ホタル」は、どの作品も秀作でした。

 私が、高倉に惚れた作品全てが、降旗監督作品だったのです。

 久々の高倉・降旗コンビ。久しぶりに大人のための邦画を観た思いです。

 そして、「単騎、千里を走る。」以来6年ぶりのスクリーンで高倉は刑務官の倉島を演じました。

 妻が亡くなった後、倉島の元に妻から「故郷の海を訪れ、散骨してほしい」との手紙が届きます。

 倉島は、妻の故郷の長崎県平戸へ車で向います。

 倉島は、移動中に出会った杉野役のビートたけしや田宮役の草彅剛らと様々なドラマを生んでいきます。

 映画の中では、重要な場所の一つとして下関市も出てきます。

 平戸では、妻からのもう一枚のはがきが局留め郵便となっています。その内容と何を意味していたかは、映画館でお楽しみ下さい。

 倉島は、平戸で濱崎食堂を営む多恵子女将(余貴美子)から、漁師をしていた夫が嵐の日に遭難して帰らぬ人になったことを聞かされます。

 散骨する船を操る漁師の大浦を演じる大滝秀治の演技は見事でした。

 散骨する日、倉島は、多恵子から結婚する娘の写真を海に一緒に投げてほしいと頼まれます。

 倉島は、散骨はすませますが、写真はポケットの中に入ったままです。その写真がどうなるかは映画館でお楽しみ下さい。

 映画のパンフレットで濱崎多恵子を演じた余貴美子が「この物語は、特に大きな事件は起きないんですけど、人は皆それぞれ、他人にとっては大したこととは思えなくても、様々なものを抱えて生きているということが描かれた、じんわりと心にしみる物語だと思います。」と語っています。

 私は、この映画で、「私を取り巻く人々をもう一度見つめ直そう」と思いました。

 「あなたへ」は降旗・高倉コンビ20作目の映画です。

 降旗監督は映画のパンフレットに「健さんは昔から僕にとってのアイドルなんです。」と語っています。 

 高倉・降旗ファンの一人として、コンビ21作目に期待しています。

 

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