議員日誌

賃上げ議論が盛んになる

 2011年旗びらきで志位委員長は、冒頭「深い閉塞感のもとで、国民の真剣な模索が始まる」と発言しました。

 年末年始、多くの有権者の方と対話しましたが、様々な年齢、業種、階層の方々がそれぞれに「見通しが立たない世の中だ」と話されました。

 志位委員長は、次に、「国民のあらゆる『大義あるたたかい』に連帯し、たたかいで展望を開こう」と語りました。

 志位委員長は、たたかいの第一に、「人間らしい雇用を求めるたたかい」を上げ、昨年11月、連合主催の会合で、富士総研のエコノミストが「来年の春闘は4%の賃上げを目指せ」と題して講演を行ったことを紹介しました。

 講演は、「10年以上も賃金が下がり続ける国は先進国の中で唯一日本だけである。その結果は内需の低迷、勤労者の労働意欲の低下など経営側にとっても好ましいものではない。企業は200兆円もの現金をためこみながら、成長のための投資や、適切な分配は忘れられている」とズバリ指摘しています。

 私は、県職員給与引き下げの反対討論で、10月26日付けのエコノミストの論文を引用しました。新日鉄技術情報センターチーフエコノミストの北井義久さんの論文です。彼の結論は、「経済成長を確実にすることが必要。そのためには、賃金を上げて個人消費を増やさなければならない」です。再度、ここで引用しておきます。
 「まず、実行すべきは、『賃上げターゲット』政策だ。政府が『今後2年間で名目賃金上昇を2%上げるようにさまざまな政策を展開します』と言えばいい。」「5兆円の賃上げは、そのほとんどが国内需要の拡大につながる。消費市場の活性化なしに、新産業がスムーズに立ち上がることは難しい」
 「法人企業統計によれば、資本金10億円以上の大企業の1社当たり経常利益は、00年度を100とすると07年度には164に増えており、1社当たり配当は293、一人当たり役員給与は126にそれぞれ増えて いるが、一人当たり従業員給与は98にとどまっている。日本企業はそれなりに利益を増やしているが、その成果は株主と役員にだけ配分され、従業員に果実は行き渡っていない」
 「デフレも、格差拡大も、消費低迷も、円高も、財政赤字拡大もすべての問題の原因は、賃金が上がらないことにある。健全な日本経済を再び取り戻すために、中期的な経済目標としてゆるやかな賃上げを中心に据える必要がある」

 更に、週刊プレーボーイの新年号に、「『デフレ撲滅』は20代の給料を上げろ!」の記事が掲載されています。

 この小論は、「企業は若者の給料をアップさせ、政府はその動きを支援する。そしてオレたちは自分の好きなことや将来のためにどんどんお金を使う。それが、デフレ克服、ニッポン経済復活への近道なのだ。」と結ばれています。

 私は、今日の日本の閉塞感の一つは、経済での見通しのなさだと思います。経済の閉塞感を作っている一つに、賃金が下がり、雇用が不安定だという問題があると思います。

 私は、最近、経済誌や雑誌に「経済回復のために賃上げを」の論調が徐々にではあるが出てきたことを嬉しく思っています。

 もっともっとこのような論調が強まり、実際に労働者の賃金が増え、雇用が増え、経済が上向きになる2011年を望みます。

 私は、このことが加速されるよう、自分の役割をしっかり発揮する新年にしたいと思います。

 皆さんは、「賃上げで、経済回復を」の論調をどうお考えですか。ご意見をお聞かせください。

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