本日、山口市で上映された映画「密約」を妻と一緒に観てきました。
原作は、私の敬愛する澤地久枝さんです。
映画の中で、この事件を追う澤地さん役を大空真弓さんが演じています。
沖縄返還交渉で、アメリカが支払うはずの4百万ドルを日本が肩代わりするとした「密約」を暴露した新聞記者とその密約を持ちだした外務省女性事務官の物語です。
澤地さんの「密約・外務省機密漏洩事件」が原作。22年前にテレビドラマとして作成されたものがこの程、映画として上映されました。
裁判では、新聞記者と女性事務官との男女の問題が焦点となり、「密約」は後景に追いやられました。
澤地さんは、岩波現代文庫のあとがきで次のように書いています。
「低次元の問題にまんまとすりかえられた『密約』問題は、世紀をこえて日本を拘束する対米関係からこぼれた『ほころび』であった。責任を問われるべき佐藤首相以下、ほとんどが故人となった。本質を見抜けず、『すりかえ』を許した主権者の責任は、現在の政治状況の前に立つ私たちに示唆と教訓をのこしているはずである。」
澤地さんのこの作品での意図が千野監督によって見事に描かれています。
澤地さんと千野さんのジャーナリストとしての眼が冴えわたる作品と言えると思います。
日米の「密約」は沖縄返還のみならず多数存在していることが明らかになっています。
私たちは、これら対米関係の「ほころび」をしっかり受け止めて国民主権と日本の民主主義の発展に生かしていかなければならないと思いました。
丁度、今度の日曜日が沖縄知事選挙の投票日でもあります。この選挙が、日米関係を新たな段階に拓く結果になることを願っています。
「密約」問題は、山崎豊子さんの「運命の人」にも結実しています。澤地さんの原作とともに、この映画を深く理解するために、読み進めていきたいと思いました。
これらの作品から本質を見抜く眼を鍛え、仕事に生かしたいと思います。
映画「密約」の感想をお聞かせください。
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