議員日誌

総員、玉砕せよ!

 子どもたちと行った「水木しげるロード」で、水木しげるコミック作品「総員、玉砕せよ!」を帰りの車中で読みました。

 この作品は、水木さん自身の戦争体験を基に描かれた作品で迫力満点です。

 南太平洋・ニューブリテン島で田所支隊に玉砕命令が下されます。

 支隊の軍医が、玉砕命令を出した参謀に直訴する場面が圧巻です。

 軍医「参謀どの とうてい勝ち目のない大部隊にどうして小部隊を突入させ 果ては玉砕させるのですか。」

 参謀「時をかせぐのだ 後方を固め戦力を充実させるのだ」

 軍医「後方を高めるのに なにも玉砕する必要はないでしょう 玉砕させずにそれを考えるのが作戦というものじゃないですか。玉砕で前途有為な人材を失ってなにが戦力ですか」

 参謀「貴様も軍人のはしくれなら言うべき言葉も知っているだろう」

 軍医「私は医者です 軍人なんかじゃない あなたがたは意味もないのにやたらに人を殺したがる 一種の狂人ですよ もっと冷静に大局的にものを考えたらどうですか

 参謀「虫けらのような命がおしくてほざくのか」

 軍医「もっと命を大切にしたらどうですか」

 参謀「人情におぼれて作戦が立てられるか」

 軍医「日本以外の軍隊では戦って俘虜になることを許されていますが どうして我が軍にはそれがないのですか それがないから無茶苦茶な玉砕ということになるのです。」

 参謀「貴様それでも日本人か」

 軍医「命を尊んでいるだけです」

 軍医の叫びは、水木しげるさんの叫びでしょう。

 水木さんは、この本のあとがきの最後にこう書いています。

 「ぼくは戦記物をかくとわけのわからない怒りがこみ上げてきて仕方がない。多分戦死者の霊がそうさせるのではないかと思う。」

 この悲劇を繰り返してはならないと私も怒りと決意が込み上げてきました。

 私は、水木しげる著「水木サンの幸福論」も読んで、すっかり水木ファンになりました。

 今は、足立倫行著「妖怪と歩く ドキュメント・水木しげる」を読んでいます。

 水木さんは私の師の一人になりそうです。水木さんに関わる作品をこれからも読んでいきたいと思います。

 私に水木さんを引き合わせてくれた子どもたちにも感謝したい気持ちです。

 水木ファンの皆さん!感想をお聞かせください。

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