議員日誌

緑資源幹線林道未整備区間(川上・旭区間)を視察

 山口県は、県内で緑資源機構が整備してきた幹線林道の未整備区間(錦区間・鹿野区間、川上・旭区間)について、事業を行うべきかどうか委員会を設けて検討を行ってきました。この程、検討委員会は、幅員を一部縮小するなどした上で、「事業として実施することが必要」との報告書をまとめました。

 私は、これら林道を本当に継続して整備する必要があるのかどうか、本日、宮内萩市議と一緒に、川上・旭区間を視察しました。川上・旭区間での未整備区間は、5.9キロです。その内、4.4キロは、幅員4メートルの林道が整備されており、この林道を改良する計画です。残りの1.6キロは、林道を開設する箇所です。

 私は、この未整備区間の内、林道を開設する起点となる江舟地区と、終点になる佐々並川ダム地区を視察しました。

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 この写真が、江舟地区の起点となる場所です。

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 この写真が、佐々並川ダム地区の終点となる場所です。

 川上・旭区間の内、緑資源幹線林道として整備されてきた箇所は、幅員が5メートルでしたが、見直し案では、幅員を4メートルにする計画です。その総事業費は約13億円です。県が約3億円、萩市が6千600万円負担します。この事業費のうち、林道開設の1.6キロの費用は分かりませんが、過半を占めることは推察できます。

 私は、現地に立ってもなお、数億円を投じてまで、林道を開通させなければならないという意義がよく分かりませんでした。実際に、この地域で、木を切り出すなどの作業が必要になった時に必要な作業道を整備すれば済むのではないか。林業振興を林道整備に集中するよりも、林業従事者の収入を確保する支援に回す必要があるのではないかと感じました。

 また、錦区間では、幅員が見直し後も5メートルのままです。理由は、「寂地峡や羅漢高原等の森林の保健休養機能を活用した施設があり、これらを最短で結ぶ林内道路となるため、一般車両の通行が予想されるとともに、大型バスの通行も想定されていることなどがら、安全性確保のため幅員を5メートルとする」と報告書にあります。

 観光振興のための林道整備が必要でしょうか。あくまで林道として必要なら幅員は他の区間同様でいいでしょう。近隣には国道・県道・地方道が整備されています。観光振興で改良が必要なら、これら道路を整備すればいいのではないでしょうか。

 県内で、緑整備機構が整備してきた林道の未整備区間の事業費は、見直し案で、合計約57億円。県の負担が約13億円です。

 そもそも、未整備区間を整備する必要があるのか。整備するにしても、見直し検討委員会報告書の方向でいいのか、更に県民的な議論が必要です。

 県は、400億円の財源不足と言い、県民福祉や医療の水準を引き下げることも検討しています。不要・不急の事業なら後回しするという選択が必要です。

 県内の森林を守る、林業従事者の暮らしを守るという観点からも林道整備がどうしても必要なのかどうか議論する必要があります。

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