議員日誌

ともだち刑

 雨宮処凛の「ともだち刑」を読んでいます。これは、彼女の「小説」です。彼女は、「ニート」などの問題をリアルに伝えるノンフィクション作家とし有名ですが、小説家としても十分な実力があることをこの作品で痛感しました。

 主人公のわたしは、バレーに燃える女子中学生です。憧れの「あなた」が同じバレー部に入部してきました。ある日、監督から、「あなた」とわたしがパスのコンビになるように促されます。この日からわたしの地獄がはじまります。わたしは、「あなた」をはじめ、バレー部のみんなからいじめを受けるのです。このいじめがはじまる瞬間やエスカレートする描写は絶品です。彼女の実体験なのだろうということは安易に想像できますが、同時に、いじめの戦慄さが際立ち、彼女の筆力の強さを感じます。

 文庫版の解説で斉藤孝さんが、絶賛しています。この作品を彼は、大学のテキストにしているそうです。彼は、この本を「ひとたび読んだなら、いじめを看過したり、隠蔽することなどできなくなる。そんな『良心の核』をつくってくれる。」と評しています。

 そして、斉藤さんは、雨宮さんの作品を「雨宮さんの社会変革宣言の書『生きさせろ!』もまた、固定化されようとする力関係の圧力に抵抗する怒りの書だ。部活内のいじめと、社会全体の中のいじめとしての格差社会。そこには、共通する構造がある。『ともだち刑』と『生きさせろ!』をぜひ併せて読んでほしい。そうすれば、わたしたちの現実がどこに向おうとしているのかを知り、何をなすべきなのかを考えたくなるはずだ。」と評しています。

 さて、次は、「生きさせろ!」を読むことにします。この夏、雨宮さんの本に多く触れて、来月の講演会の成功に繋げたいと思います。

 是非、皆さん9月20日、宇部市での雨宮処凛さんの講演会に足を運んでください。チケットが必要な方は、私にご一報下さい。(詳しくは、このブログのトピックスのコーナーを参照してください)。雨宮さんの本も販売します。サイン会も行う予定です。多分、山口県では初めての雨宮さんの講演会です。乞うご期待下さい。

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