愛知県の高速バスをハイジャックした事件で逮捕された男は、宇部市内の中学2年生の少年と判明したとの報道が夕方から各マスコミで行われています。私も宇部市選出の議員としてあるマスコミから取材を受けて知りました。
同世代の子どもを持つ親として、宇部市のPTA連合会の役員の一人として心が痛む事件です。事件の真相の解明と再発防止策を市内の親の英知を集めて行っていかなければならないと思いました。
私は、この事件を知って、秋葉原事件が起きた後に「民主青年新聞」に掲載された横浜市立大学・中西新太郎教授のコメントを思い出しました。
中西教授は、秋葉原事件の背景の一つは、「広域派遣労働という若者をモノ扱いする働かせ方の問題があります。」と語り、「社会からも、文化からも孤立を深める青年は、今回の容疑者だけではありません。」とし、「社会的孤立に追い込まれている若者を社会として放っておかないことが必要です。」と展望を示します。
中西教授は、「ヨーロッパでは、1980年代ごろから、孤立している状況を貧困の一つといしてとらえ、社会的責任で解決するようにもとめられてきました。若者の孤立化は自己責任ではなく、社会の責任で解決すべき問題です。」と続けて語ります。極めて重要な指摘です。
中西教授は更に続けます。 「自分が抱える困難や悩みがどこから生まれてきているのか、そこをはっきりさせることが必要です。不満の矛先をどこにむけていいのかわからないから、対象が『無差別』となりえるのです。」
秋葉原の事件と今回の事件は、共通点は少ないのかも知れませんが、二人の若者が抱えた心の闇は通じるものがあったのかも知れません。これは、孤独感ではないでしょうか。その矛先が、『無差別』の人たちへの暴力に向かう悲劇が共通しています。
孤独感を自己責任にせずに、社会の責任として解決していくという中西教授の指摘は重要だと思います。今回、発生じた事件が繰り返されないようにしていくためには、若者の孤独感が生まれた背景を個人や家族だけの問題にせずに、社会の責任で探していくことが大切ではないでしょうか。そのことが再発防止に取って重要だと思います。
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