議員日誌

知事が議案説明の中で知事選への決意を表明

 いよいよ今日から6月県議会が始まりました。二井知事は、議案説明の後、今夏の知事選に向けて決意表明を行いました。

 二井知事は、「就任以来、『しっかり聞いて、しっかり実行』をモットーに、『県民が主役となる県政』『市町村とともに歩む県政』を基本姿勢の下、山口県の将来を見据えた新しい県づくりに全力で取り組んできた」と訴えました。

 果たして二井県政の3期12年は、「県民が主役」「市町村と歩む」県政だったのか検証が必要です。私は、3つの知事の政治姿勢を提起します。

 第一は、空母艦載機部隊の岩国移転を事実上容認してきた姿勢です。第二は、上関への原発建設にも条件をつけながらも「ゴーサイン」を出してきた姿勢です。第三は、住民世論を無視し、市町村合併を押し付けた姿勢です。

 私は、この3つの二井知事の政治姿勢は、「県民主役」「市町村とともに歩む」とは言い難く、「国主役」「国とともに歩む」県政だったと評価します。

 また、二井知事は、「持続可能な行財政基盤を構築するため、県政集中改革にも取り組み、定員管理の着実な実施や県債残高の減少に見通しを立てるなど、一定の成果を挙げた」と述べました。

 しかし、二井知事が、高規格道路に1790億円、ダム建設に1124億円、国体にも巨費を投じながら、県債残高を就任時の1996年度よりも2倍にし、1兆1千億円にしたことは消せぬ事実です。ここ数年、二井知事は、産業技術センターの独立行政法人を強行するなど県職員の定数減を大幅にすすめています。そのことによって、県債残高を減少させようとしていますが、大型事業に大盤振る舞いをする基本姿勢は変わっていません。県民にとって必要な財政再建の手法は、定数減による県民サービスを削る改革ではなく、不用不急の大型事業の無駄を削る改革ではないでしょうか。

 更に、大型事業の相次ぐ破たんも明らかです。愛宕山開発では、251億円の赤字が明らかですし、工業用水道事業でも、赤字の穴埋めに150億円が投入されています。今後は、山口宇部有料道路で大幅な赤字が見込まれるなど二井知事が大きくした負の遺産は山積しています。二井知事は、今回の立候補に当たってこれら失政への反省の弁を県民に改めて述べるべきです。

 成果だけを強調した今日の決意表明は、空虚で県民不在を改めて露呈するものだったとの感想を私は持ちました。

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