議員日誌

日本共産党綱領と後期高齢者医療制度

 明日、市内で開催予定の「日本の前途と綱領を語り会う集い」に講師として参加します。今日は、少し綱領の話をしたいと思います。

 日本共産党綱領は、日本の資本主義の矛盾を「対米従属と大企業・財界の横暴な支配を最大の特徴とするこの体制は、日本国民の根本的な利益とのあいだに解決できない多くの矛盾をもっている。その矛盾は、21世紀を迎え、ますます重大で深刻なものになりつつある。」と捉えています。

 綱領の視点で、後期高齢者医療制度を捉えてみます。「後期高齢者医療制度」は、75歳以上の高齢者を国保や健保から切り離し、保険料値上げかそれとも医療の制限かという選択に追い込む制度です。

 こうした制度改悪を強くすすめてきたのは、財界・大企業です。公的医療保険は、国民の家計負担(保険料と窓口負担)、事業主の保険料、そして公費(国と地方)で運営されています。この間に、財界は、企業の税・保険料負担を減らすため、社会保障給付費の切り縮めを要求しつづけ、医療制度については、①高齢者医療を現役世代から分離すること、②高齢者の医療費負担を抜本的に増やすこと、③診療報酬を「包括払い」にかえ、保険給付を制限することを求めてきました。つまり、財界の求めに応じて出来たのが「後期高齢者医療制度」といえます。

 更に、政府は、後期高齢者医療制度とともに、療養病床の削減や特定検診制度を導入しましたが、この根本には、医療給付費をいかに削減するかがあります。2025年までの医療費を8兆円削減したい。その内、2兆円は、高齢者医療の削減で行う。この中に後期高齢者医療制度があります。残りの6兆円の内、2兆円は特定検診導入で、残りの4兆円は、療養病床の削減でと政府は考えました。この事は、村上さんという元厚生官僚の方が新聞のインタビューで認めています。「政府の経済財政諮問会議で医療費をGDPと連動させる案が出され、厚生労働省が代わりに平均入院日数の削減と生活習慣病対策を提案した。」と暴露しています。小泉「構造改革」の司令塔。財界の幹部が多数参画し財界の意向を政府の政策に反映するための機関とも言える「経済財政諮問会議」が医療費削減の司令塔だったのです。

 このように、財界いいなりの政治の中で、「後期高齢者医療制度」は生まれた。根本まで問題を掘り下げないと、事の本質が見えてこないし、解決の展望も生まれません。

 この厚生官僚だった村上さんは良いことを言っています。「(社会保障費)抑制策は限界に来ている。国際水準で日本の医療費の対GDP比は低く、増やしていいぐらいだ。これ以上やると、ただでさえ崩壊している医療がさらに壊れてしまう」と語っています。

 医療費のGDP比で日本は、8.0%です。OECD平均が9.0%です。イギリスは、03年から05年へと0.5%上げて8.3%にしています。映画シッコで有名なアメリカは、何と15.3%です。

 財界本位の政治を転換して、国民を大切にする社会をつくろうと日本共産党は、綱領で日本の将来の展望を語っています。後期高齢者医療制度を廃止しても大丈夫。政治を転換すれば、長寿が喜べる新しい日本は可能です。

 日本共産党綱領は、日本共産党中央委員会のホームページからダウンロード出来ます。私のブログのリンクから検索することができます。一度読んでみてください。 また、綱領を語る集いを開きたいと思われる方は、私にご一報下さい。

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