議員日誌

白熱講義!集団的自衛権

 小林節著「白熱講義!集団的自衛権」(ベスト新書・KKベストセラーズ)を読んでいます。

 小林先生は、冒頭で、「自民・公明党は『憲法泥棒』である」と断じます。

 「そもそも憲法とは、『主権者たる国民が為政者を管理するためのマニュアル(手引書)」である。為政者が憲法を自由にしていいわけがない。主客が転倒している。国民の持ち物を政府が取り上げるのだから「憲法泥棒」、「憲法ハイジャック」と言ってもいいくらいの暴挙である。」

 実に分かり易い。

 中谷大臣は、「憲法を法律に合わせる」とも発言しましたが、正に、為政者による憲法99条(憲法尊重擁護義務)違反という状況が小林先生の本でよく分かります。

 集団的自衛権行使容認の閣議決定と戦争法案は、憲法違反だと小林先生は断言されています。

 本著は、集団的自衛権行使容認の閣議決定が出された段階でのものですが、今読んでも正確なものです。

 「今回の閣議決定は、憲法の精神に外れている。憲法、とくに9条の精神を踏まえ、『独立民主国家として、自ら最小限の自衛はできる』というのが、これまでの政府見解である。歴代政権はこれをずっと踏襲している。戦後、この枠(専守防衛)だけは守ってきた。集団的自衛権は、他国を守るための海外派兵をすることだから、自国を守る必要最小限度の武力行使を超えている。現行憲法の解釈としては、やはり無理筋(理屈に合わない無理な手順)と言わざるを得ない。ところが安倍政権の見解は、『時刻を守る最低限の行動はできる。だから他国が襲われたときに助けに行く最低限の行動はできる』である。つまり同じ前置きを使って、結論としては集団的自衛権が行使できるようにすり替わっている。これには、整合性がない。この見解に整合性があるという人には、立証責任を求めたい。」

 この点も実に明解である。

 憲法審査会の与党推薦の参考人の法学者でさえ、集団的自衛権行使を容認する戦争法案は、違憲だと言わざるを得ない根拠を、小林先生は明確に論証しています。

 また、この本は、自民党が論拠としている「砂川事件の判決」についても、集団的自衛権とは無関係と断じています。

 今の戦争法案をめぐる安倍首相の意図と問題点を理解する上で、とても分かり易く、明解な名著だと思います。

 この本を読んでいると、小林先生のお話を益々、直接お聞きしたくなりました。

 戦争法案について皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

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