今日、党県常任委員会で、前衛4月号に掲載された角瀬保雄法政大学名誉教授の論文「内部留保の活用こそ正常な企業経営を可能にする」を学習しました。
志位委員長は、今年1月、テレビ東京系のトーク・ショー「日経スペシャル・カンブリア宮殿」に出演し、自動車7社、電機・精密9社で、内部留保が、2001年17兆円から2008年33兆6000億円に増やしていることを明らかにしました。一方で、これら会社の内、株主配当を5社が増配し、5社が維持している。その中で、これら会社の人員整理人数は、4万95人となっていると志位委員長は指摘しました。その上で、志位委員長は、「内部留保33兆6000億円の内、0.2%ぐらいを取り崩すだけで、4万人の人員削減はすくえる」と発言しました。
角瀬先生は、テレビ東京系番組のなかで日経新聞の森一夫編集委員が内部留保問題に関連して発言したコメントを紹介しています。
「もし内部留保ゼロで企業が運営していたら、ちょっと事業に失敗したらたちまち債務超過になって、倒産状態になる。そうなると雇用を守るどころではなくなる」
内部留保を取り崩し、雇用を守れの反論としてよく聞かれる発言です。
これに角瀬先生は、「われわれは、内部留保をゼロにすべきであるなどと主張しているのではない。正常な企業活動の結果として、しかるべき内部留保は形成されて当然と考えている。一定の内部留保は企業活動にとって必要不可欠なものであることはいうまでもない。(中略)しかし、人減らし、低賃金によってため込まれた内部留保は正常なものとはいえないであろう。(中略)この内部留保の一部を雇用の維持、過密労働の解消に使うならば、それだけで企業経済の矛盾が緩和され、正常な企業経営が可能になるという事実を指摘しているだけなのである。」と指摘しています。
私は、この話で、介護保険の状況を想起しました。実は、このテーマも、先の県議会厚生委員会で取り上げようとしていたテーマでしたが、時間切れでしなかったものでした。
県内の介護保険料は、第一期(平成12~14年度)平均で一人当たり月額2967円でした。これが、第二期(平成15~17年度)3617円に、第三期(平成18~20年度)4088円となりました。この8年で、月額1000円以上も介護保険料が値上げされています。その一方で、介護給付費準備基金保有額はどうでしょう。年内の最高は、下関市で、6億7千万基金を保有しています。1億円以上は、山口市(3億8千万円)・萩市(1億円)・防府市(2億8千万円)・岩国市(6億5千万円)・光市(1億2千万円)・長門市(2億5千万円)・柳井市(1億3千万円)・周南市(4億5千万円)・山陽小野田市(2億9千万円)の各市です。出典:介護保険事業状況報告(H21年3月3日時点)
私は、市議会議員時代、宇部市国保運営協議会委員を務めていました。基金を取り崩し保険料の値下げをと主張し、実際に1度値下げされた経験があります。
新年度から第4期の介護保険料の設定になりますが、厚生労働省でさえ、昨年8月に開催した担当者会議の中で、「現在、当該基金の残高を有する保険者にあっては、これをできる限り取り崩すものとし、第4期介護保険料基準額の最終決定に当たっては、保険料の上昇を最小限のものとすることについて、十分検討されたい。」と指摘しているのです。保険料が不足した場合には、財政安定化基金から貸付を受ける制度が創設された後も、各保険者は、基金をため続けてきたのです。
山陽小野田市では、この点を指摘し、介護保険料が新年度値下げされると聞いています。基金を取り崩して保険料の引き下げを、が第4期を迎える介護保険につきつけられたの大テーマです。
内部留保を取り崩して雇用維持に回せは、日本の企業経営につきつけられた大テーマです。
企業の内部留保問題、介護保険問題を皆さん方はどのようにお考えですか、ご意見をお聞かせください。
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