阪本順次監督の映画「人類資金」を観ました。
映画のパンフレットで、映画評論家の上野昻志さんが次のように述べています。
「『人類資金』は、その意味で、現代世界を動かす経済の支配的なシステムへの果敢な戦いを描いた物語であると同時に、阪本順次のうちに潜在していたロマンティズムが、シニカルな屈折や衒いなしに、人類の明日に向けて大きく開かれた快作である。おそらく、そこには、阪本なるの3.11の受け止め方があるのだろう。近代資本主義社会の行き着いた先に、あの原発事故があったのなら、その先に世界の『別な風景』が開かれなければならないという。」
私は、この評論と全く同じ感想を映画「人類資金」を観ていだきました。
映画を観おわって「人類資金」という言葉の重みを感じます。
この映画は、日本軍が保有していた財産を戦後活用したのではないかと言われるM資金が大きなテーマとなっています。
映画の後半で、M資金のMは、「マンカインド」のMを意味します。
つまり「人類」の資金です。
森山未来演じる石が、国連の演説で、「富をシェアしよう」と訴えます。
石は、富が一部に集まるルールが今までのルールで、富が分配されるルールになると、世界の貧困も解決するのではないかという主旨を国連で訴えます。
石の演説に私は魅了されました。
森山未来という俳優の力強さと深さを感じました。
資本主義に変わるルールを模索する意欲的な映画でした。
皆さんもぜひ、劇場でご覧下さい。
阪本順次監督作品にこれからも注目していきたいと思います。
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