厚生労働省は、10日、国民健康保険の運営を市町村から都道府県に移行した場合の試算をまとめ、社会保障審議会医療保険部会に示しました。
試算は、2010年度の保険料を基に都道府県内の平均額に一本化すると仮定した場合の保険料を明らかにしています。
厚生労働省の資料と昨日の中国新聞の報道を基に、県内の状況を報告します。
保険料を一本化した場合、山口県の一人当たりの保険料調定額は、86890円となり、全国第5位の高さとなります。
県内で最大値上げとなるのは、2万5689円増の周防大島町です。
昨日の中国新聞は、「社会保障制度改革国民会議は、国保の運営を都道府県に移す改革案を軸に検討をすすめている。今回の試算は、保険料負担の激変を強調することで、急速な改革議論に厚労省がくぎを刺した形だ」と報道しています。
しかし、昨年4月に国保の給付財源を「都道府県単位」に統合する国保法「改正」法案が国会で成立しています。また、先述の厚生労働省資料の「スケジュール」には、「市町村国保の都道府県単位の共同事業について、平成27年度から、事業対象を全ての医療費に拡大し、財政運営の都道府県単位化を推進する」とあります。
いずれにしても、社会保障制度改革国民会議など後ろ盾となり、国民健康保険を都道府県単位にする方向が加速していることは確かです。
今日、国保が置かれている状況は危機的です。保険料が高い→滞納が増える→正規保険証が交付されない→症状が重篤化する、などの悪循環がまん延しています。
国保の危機を打開するカギは、国庫負担を元に戻し、国保の財政を安定化させることです。
国の国保に対する財政負担を更に圧縮することが「国保広域化」の目的なら、先程示したような更なる保険料の引き上げによって、国保の危機は更に加速し、「国保崩壊」の状況が増幅します。
今こそ、国民の命綱である国保を守り、充実させる観点での慎重な議論が求められています。
国保に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
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