「鍵のない夢を見る」で、第147回直木賞を受賞した作家の辻村深水さんにはまっています。
きっかけは、10月6日公開予定で、映画化される「ツナグ」を読んでからです。
「ツナグ」で辻村さんは、吉川英治文学新人賞を受賞しています。
一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「死者(ツナグ)」の物語。
一人一人の生い立ちが丁寧に描かれていて、起承転結もしっかりしている作品です。
親友に抱いた嫉妬心に苛まれる女子高生を描いた「親友の心得」の所で涙しました。
原作がどのような映画になるのか今から楽しみです。
そして、「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ」を読みました。
角田光代さんの「八日目の蝉」に通じるテーマを感じる作品でした。
命の重みを感じる作品でした。
地方で暮らす人たちの心理を見事に描いた作品です。
また、「家族とは何か」をも考えさせられる作品です。
思春期の子どもを抱える親の一人として大いに考えさせられた作品でした。
小説の最後で「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ」の意味が明らかになり、胸が詰まりました。
更に、今、彼女のデビュー作「冷たい校舎の時は止まる」を読んでいます。
雪が降るある日、いつも通りに登校したはずの学校に閉じ込められる高校生の物語。
文庫で上下あるかなりの長編ですが、一気に読ませます。
彼女の作品の特徴は、人物描写がすばらしいことが一番でしょうか。
どこにでもありそうなテーマなんですが、この事が起こった背景の描写が深いので、読者に読ませる作品になっています。
そして、ミステリー仕立てにもなっていて、小説の冒頭で、読者は、この物語の真相を知りたくなります。
「なぜ、なぜ」「知りたい、知りたい」と次々にページをめくってしまう作品ばかりです。
彼女の作品を読みながら、自分もこんな面白い小説を書いてみたいと思いはじめました。
そうはいかないことは百も承知ながら、それほど、彼女の作品は面白いのです。
まだ、32歳の辻村さん。最近、結婚と出産を経験されたそうです。
様々な経験から作品に更なる深みも増すのではないでしょうか。
既刊の本を読み進めながら、これらの作品にも期待大です。
辻村深月ファンの皆さん。あなたの好きな作品をお教え下さい。
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