議員日誌

東見初港湾計画

 昨日、県議会土木建築委員会が、宇部港東見初地区港湾整備事業の視察を行い、私は、地元議員として、同席しました。

 現在、県が事業主体となって、約400億円の事業費で、フジグランうべ沖79.2㌶の埋立が行われています。これが、東見初の港湾整備事業です。来年10月からの一般・産業廃棄物の搬入開始に向けて、廃棄物埋立護岸の工事が精力的に行われていました。

 当日、示された埋立用材の内訳を見て、愕然としました。土量701.2万・に対して、430.2万・は、しゅんせつ土で占められています。つまり、埋立用材の6割以上が、しゅんせつ土なのです。宇部港は、遠浅のため、常時しゅんせつをしなければなりません。そうなれば、宇部港は永遠に、埋立をし続けなければならなくなります。しゅせつ土を港湾開発の埋立用材として使い、開発面積が過大となるという悪循環は見直す必要があると思います。また、H13年の宇部港港湾計画の見直しの時に、「小型船舶の大型化」を理由に、-4.5㍍の岸壁を-5.5㍍に変更しています。このことに伴い泊地確保のためのしゅんせつ土も増加しているはずです。現在の宇部港の利用状況から-5.5㍍の岸壁が必要なのかどうかについても検証しなければなりません。過大な岸壁整備が、過大なしゅんせつ土を生み、過大な港湾開発に結びつくのであれば問題です。更に、これらしゅんせつ土の中には、国直轄の宇部港本港航路のしゅせんつ土も含まれています。国直轄事業で発生する土砂は、国で責任で処分してもらうことも必要だと思います。現在、宇部港で発生するしゅんせつ土の内、国直轄事業で発生する土の割合を調査したと思います。

 以上のことから、私は、宇部港東見初地区港湾整備事業の目的の一つは、しゅんせつ土の処分場所の確保にあると考えています。

 開発後の土地利用計画の用途を見ると、79.2㌶の内、15.9㌶がスポレク施設用地、19.5㌶が緑地となっています。緑地の確保を否定するものではありませんが、開発面積の約45%も港湾事業と直接関係のない事業で占められいるというのは、そもそもこの開発が過大であることを示しているのではないでしょうか。

 H13年の宇部港港湾計画で、マリーナ計画が中止されました。これは、賢明な判断だと思います。しかし、人工海浜計画は残されたままです。私は、砂の搬入など、人工海浜を形成するための予算は、400億円の中に含まれているのか、県の担当者に聞きました。県担当者は、海浜手前の緑地部分の埋立や護岸については約30億円で整備する計画だが、その先の海浜部分については予算化していないとの回答でした。

 1.15キロもある海浜に砂を搬入すれば、どれほどの費用がかかるでしょうか。近隣には、きわらビーチなどの自然海岸が存在します。工業地帯の人工海浜に市民は多く訪れるでしょうか。

 私は、人工海浜につては、至急、費用対効果を検証し、次回の港湾計画の見直しでは削除すべきだと考えます。

 また、いまからでも、東見初地区港湾開発計画の縮小見直しが必要であることを今回の視察を通じて痛感しました。

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総事業費400億円かけて進められる東見初の工事

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