先程、約700ページの大作、増田俊也著「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」を読み終えました。
この本の最終盤にありますが、「木村政彦は鬼の死骸を衆にさらしながら生き抜いた。37歳のあの力道山戦から、75歳までを生き抜いた。その後半生がいかに長かったか。」
同じ時代を柔道家として生きた猪熊功が自刃したことと比較し、筆者は、木村政彦の最期をこう書きつづっています。
この本の中に、次に述べる山下泰裕さんの事も出てきます。木村政彦が大澤慶巳の娘・美恵子に山下泰裕さんの事を聞かれこう述べたと書かれてあります。
「山下君は恐ろしく強いよ。でもね。山下君には4つの弱点がある」と語ったとあります。
「木村は40歳の年下の対山下戦法までずっと頭の中でシュミレートし、もし山下と戦うならばと対策を練り続けていたのだ」と書かれています。
鬼の木村政彦が晩年、大きく評価したのが山下泰裕さんです。私もロス五輪無差別級で優勝した山下選手の姿を思いだします。
山下泰裕さんは、現在、東海大学副学長・同体育学部長です。
その山下さんが、日本共産党の理論政治誌「前衛」2月号に登場しました。
山下さんは、加納治五郎氏の「精力善用」(相手を敬い、信頼しあい、助け合う心を育む)「自他共存」(自分だけでなく他人とともに栄える)の言葉を引用し次のように語っています。
「柔道家というのは、柔道の技がどれだけできるか、あるいはどれだけ強かったか、どれだけの選手を育てたかだけではなくて、日常生活の中で柔道の基本精神である『精力善用』『自他共栄』をどれだけ実践しているか、それこそが問われなければいけないはずです。」
世界を極めた山下さんの言葉なので、大変重いものだと受け止めました。
山下さんは、スポーツには、チャンピオンスポーツと生涯スポーツの二つがあるとして、「この二つがともに発展することは、日本の社会にとっても大きな意味があることです。」とも語っています。
その上で、山下さんは、生涯スポーツの振興の重要性をこう語っています。
「世界のスポーツ担当大臣の会議で、生涯スポーツの振興に1ドル投資することは3.2ドルの医療費削減の効果があると紹介されています。病気をなおすことも大事だし、同時に、病気にならなように、心身を活性化させる、その一つがスポーツです。」
これも、世界の山下さんの発言だけに重く受け止めました。
私も空手やジョギングで生涯スポーツを実践している一人ですが、私自身スポーツの効用を実感しています。
山口県も「スポーツ振興条例」が制定され、新年度予算が編成されようとしていますが、チャンピオンスポーツと生涯スポーツの両輪が生きる条例であり、新年度予算となることを期待します。
木村政彦さんと山下泰裕さんが繋がり、それが、今日の山口県政の課題にも繋がった、嬉しい一日です。
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by 名無し — 2013年1月17日 1:09 AM