18日付、しんぶん赤旗日曜版は、NHKドラマ「テミスの不確かな法廷」について、次のように報じました。
「現在放送中のNHKドラマ『テミスの不確かな法廷』(原作・直島翔)の会見が東京都内で行われました。主演の松山ケンイチさん、共演の鳴海唯さん、遠藤憲一さん、政策統括の神林伸太郎さんが登場しました。自閉スペクトラム症と注意欠陥多動症のある裁判官、安堂清治(松山)が東京から前橋地方裁判所第一支部へ異動してきます。そこに複雑な人間模様が絡み合う事件が舞い込みます。安堂の特性からくるこだわりが事件の矛盾をあぶり出すリーガル(法廷)ドラマです。『発達障害のある裁判官が成長していくドラマです。カミングアウトしていない主人公がどう社会と向き合っていくのか。考証の先生に相談し、当事者の方にインタビューしました。症状にはグラデーションがあります。なぜそうするのかを突き詰め、当事者が見ても違和感のないしぐさ・行動を決めました』と神林さん。セリフも多く、難解な法律用語がたくさんあったと話すのは、弁護士役の鳴海さんです。『難しい言葉をちゃんと理解しなければならないので、ネット辞書が欠かせなかった』と振り返ります。松山さんは『しぐさや苦手なこと、好きなことが書かれたスタッフ政策の安堂ノートがある』と明かし、ノートを役作りに生かしたと話します。発達障害当事者たちのグループケアにも参加したといいます。『グループケアでは苦手をどう克服していくのか議論します。そこには否定や傷つける言葉もなんくて、優しい空気がありました。安心してしゃべって、表情も生き生きして、すてきなコミュニティーです。それでも、現実はどうしても仕事場のスピード感やテンポについていけず、必死に生きている部分があると思います。(お芝居では)彼が安心できる場所、その二つの場所をうまく表現できたらと思っています』(松山さん)」
書店で、直島翔著「テミスの不確かな法廷」の第一章「カレンダーボーイ」を読みました。この章が、ドラマの第一話とほぼ同じストーリーです。
しかし、違うのは、舞台となっている地域です。ドラマは、群馬県前橋市の前橋地方裁判所第一支部ですが、原作は、Y地裁。本文を引用します。
「東京から本州のもっとも西に位置するY地裁」「Y市は県庁所在地でありながら、人口が二十万に届かない」「ここがどんな土地か、ご存じですよね。総理大臣を八人も出した保守王国。こんな県はほかにありません。」
もう、お分かりですね。NHKドラマの原作の舞台のモデルは、山口県なのです。
更に、作者が、原作の第一章を書かせる背景になったのが、県庁ぐるみ選挙で、副知事が起訴されたあの事件だったのです。
小説では、県庁ぐるみ選挙についてこのように書かれています。
「外相が参院から衆院に鞍替えした去年の衆院選挙が舞台だという。(中略)当時の副知事は次代のホープ、『我が郷土、九人目の首相』に力を課そうと並々ならぬ支援に注力したようだ。執務室に幹部職員を次々に呼び、後援会の入会申込書を手渡し、部下に対する勧誘活動をさせようとしたという。副知事は公選法違反に問われ、簡裁から罰金三十万円の略式命令を受け、去年のうちに辞職していた。罪に問われたのは、法が禁じる『公務員の地位利用』である。(中略)県庁が組織だって一人の政治家を支援することは社会通念の矩をいとも軽々と超えている。」
原作者の直島翔さんは、現役の新聞記者です。あの事件を正確に活写しています。
原作の第一章のストーリーは、県庁ぐるみ選挙が起こるような「保守王国」ならではの、市長選をめぐるある団体のぐるみ選挙が大きな背景として書かれています。これ以上は、ネタバレになりますので控えます。
原作は、県庁ぐるみ選挙が起きた山口県での地裁ならではの事件を扱っていますが、流石に、NHKドラマにするときに、このままのストーリーにすると、県庁ぐるみ選挙を扱わなければならないという配慮があったのかどうか、舞台を前橋に変えて、一般的な市長選をめぐる団体ぐるみ選挙が事件の背景にあるとの描き方がされています。
私は、県庁ぐるみ選挙を背景とした推理小説を書かれた直島翔さんの筆致に、県議会で、この問題を追及してきた議員として、感動を覚えました。
直島さんは、私と同学年であることもあって、一気に、直島ファンになりました。明日は、第三話になるドラマと同時に、第二弾も刊行された直島さんの本シリーズを読み進めていきたいと思います。
この作品を推す、もう一つの理由は、主人公の裁判官・安堂清春が、ASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠陥多動症)と診断された人物として描かれている点です。
発達障害は、社会的には、マイナスのイメージを含んでいますが、直島さんは、安堂を描く中で、その困難さを丁寧に描きながら、同時に、プラスの面を丁寧に描いています。直島さんのそれらの、明るい未来よ予見させる筆致に惹かれました。
さて、明日、高市首相が、国民向けに解散総選挙を表明すると言われています。
私は、この時期に、この小説を読んだ意義を感じました。
2021年10月の衆院選挙前に自民党の林芳正外相(当時)を支援する同党関係者が林氏のリーフレットと後援会入会申込書を約3000枚も山口県庁に持ち込み、職員に配らせていたことなどが明らかになりました。
小松一彦副知事(当時)が幹部職員らに林芳正外相(当時)の後援会入会申込書を手渡して公選法違反(公務員の地位利用)の罪で略式起訴された事件を私たちは忘れてはならないと思います。
林氏は、この事件に対する説明責任を今からでも果たすべきです。
また、この事件後、県がまとめた報告書に小松氏は、なぜ職員に依頼したのかについて「山口県では自由民主党が圧倒的な政治権力を握っているため」と取り調べした検察官に述べたとあります。
知事選挙が目前ですが、未だに、小松氏が指摘するような体質が、県政にあると、私は、野党議員の一人として実感しています。
だからこそ、このような自民党県政の流れを変えたいと、大久保雅子候補を支援しています。
総選挙、知事選挙を目前にして、山口県の重大な政治体質に気づかせてくれた直島翔著「テミスの不確かな法廷」に感謝する次第です。
皆さんのドラマ「テミスの不確かな法廷」、同名原作の感想をお聞かせください。
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