年明けに、スティーグ・アーセル原作「ミレニアム」がスウェーデンで映画化された3部作をDVDで観ました。
原作の1部「ドラゴン・タトゥーの女」は、文庫の下の途中までしか読んでいませんが、3部全部の映像を通して、戦前から現在まで貫く社会の闇を詳らかにしよとする意欲ある作品だと痛感しました。
ミステリー仕立てですが、ナチスへの批判、女性に対する暴力への批判、資本家の不正など国家や経済社会への批判が貫かれていて見応えがありました。
文庫版「ミレニアム」の帯に、作家のよしもとばななさんが「あまりにも面白すぎてどうしても読みやめられない!そしてどんどんリスペットにぞっこん!」と書いていましたが、全くその通りです。
リスペットは幼少の頃から、最もと言っていいほどの困難に幾度となく直面しながら、それを乗り越えていきます。
この作品は、社会への批判と同時に、リスペットの成長記としても見応えがありました。
最近、高野和明さんの「ジェノサイド」という作品を読んでいます。社会の矛盾に真正面から挑む作品が、日本からも多く輩出されることを望みます。
作品の中では、目を覆いたくなるような場面も多々ありますが、これが社会の現実でもあります。
私たちは、これらにしっかり向き合っていくべきことを原作者や映画製作者は訴えているのだと思います。
スウェーデンに続いて、アメリカでのこの作品が映画化され、2月に日本で上映されます。
先日のブログでも書きましたが、今から楽しみです。
小説「プレニアム」の1部をもう少しで読了できそうです。2部3部とこの冬読んでいきたいと思います。
インターネットのフリー百科事典「ウィキペディア」によると、原作者のラーソンは、1部が発売される前に亡くなりましたが、5部までの構想があり、4部の4分の3に相当する下書きが彼のノートパソコンに残されていたとあります。様々な問題が解決して4部の発刊を期待します。その後、リスペットがどのような困難と出会い、どう乗り越えていくのかとても知りたくなります。
雑誌「ミレニアム」編集長のミカエルのモデルは当然のことながら原作者のラーソン自身だと思います。
ラーソン自身もナチスへの批判や女性への暴力に対する批判を自らの雑誌で書き続けてきた人物です。
原作者であるラーソン氏の伝記のような作品にも出会えたらと願っています。
それでは、小説「ミレニアム」の続きを読みながら、2月の映画上映を楽しみに待つことにします。
「ミレニアム」ファンの皆さん、感想をお聞かせ下さい。
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