私は、12月2日に一般質問で登壇しました。
今日は、特定利用空港について報告します。
社民党の福島瑞穂参院議員の質問主意書へ11月18日、政府は、今年2月末時点、「特定利用空港・港湾」を自衛隊が利用した回数は、長崎空港が39回、福江空港は21回と答えました。空港の平均利用回数は13回です。
私は、「国の『年会数回程度』の利用との説明を上回る実績であったことを県はどう受け止めているか」質しました。
仙石土木建築部長は「国からは、『自衛隊によるそれぞれの特定利用句工の訓練での利用頻度については、基本的には年数回程度を想定している。また、一部の施設については、従来から自衛隊が訓練で頻繁に利用してきており、今後もこれまでと同様に利用させていただくことを想定している。』と聞いている。一方で、『山口宇部空港については、これまで頻繁に利用してきた訳ではないため、基本的には年数回程度の利用を想定している。』と聞いている」と答えました。
福島参院議員の質問主意書への政府答弁に、今年度、山口宇部空港が、特定利用空港に指定されたことに伴い、4億円の予算で、滑走路、誘導路及び照明施設の改良、空港用地の整備、航空保安無線施設の改修等を行うとあります。
私は、「どのような工事が行われると認識しているのか。滑走路、誘導路等の改良、航空保安無線施設の改良などは、軍用機の利用を前提とした工事ではないのか県の認識を尋ねる」と質しました。
仙石部長は「『滑走路、誘導路及び照明施設の改良、空港用地の整備』については、県が、民間航空の離着陸の安全を確保する目的で、滑走路、誘導路舗装の全面更新や、航空灯火のLED化、滑走路端安全区域の整備を進めるものだ。また、『航空保安無線施設の改修』については、国において、民間航空機に滑走路への侵入コースを示すための無線施設の更新を進めるものと承知している。いずれの事業も、軍用機の利用を前提とした工事はない」と答えました。
10月31日に終了した自衛隊統合演習では、国内40以上の民間空港・港湾が利用され、特定利用空港の南紀白浜・徳之島・鹿児島空港ではF15戦闘機の燃油補給訓練やタッチ・アンド・ゴー(連続離着陸訓練)が、福江空港では、オスプレイによる訓練が実施されました。
11月26日、北九州空港で、自衛隊戦闘機によるタッチ・アンド・ゴーが実施されたと報じられました。
9月県議会で、県は、山口宇部空港について『軍事目的での使用は想定していない』との答弁は撤回しにと答えました。
私は、「自衛隊統合演習で、特定利用空港を利用した軍事訓練が実施されたことを県はどのように認識しているのか。国が、山口宇部空港で戦闘機によるタッチ・アンド・ゴー訓練の実施を求めた際には、拒否すべきだ」と質しました。
仙石部長は「訓練が行われた事実については報道等で承知している。国からは、現時点で具体的な訓練の計画は示されていないが、県としては、国に対して、訓練の実施に当たっては、騒音等による影響が最小限となるよう努めることなどを要請しており、今後、これを前提に、国と意見交換や利用調整を行うなど、適切に対応してまいる」と答えました。
私は、「県民との対話の中で、住民説明会を開催すべきだとの要望を数多く聞く。県は、国に、地元説明会の開催を求めるべきだ。また、県独自の説明を開催すべきだ」と質しました。
仙石部長は「空港管理者の県としては、これまでと同様に、航空機の運航や騒音対策等に関し、協議・調整を行ってきた、近隣自治会で構成する騒音協に説明することとしたところであり、住民説明会については、国に開催を求めることや、県で開催することは考えていない」と答えました。
山口宇部空港は、全国5カ所ある「特定地方管理空港」です。特定地方官吏空港は、国が設置し、地方公共団体が管理する空港です。航空法には、山口宇部空港の空港管理者は、山口県だということが規定されています。
吉田敏浩著、岩波新書「ルポ 軍事優先社会」には、政府が2024年4月1日に初めて特定利用空港・港湾を16カ所だと公表した際、候補地は38カ所あったと書かれています。つまり22カ所が拒否したことになります。この中には、都道府県が管理する空港・港湾があったはずです。
私は、「山口県が空港管理者である山口宇部空港を特定利用空港に国が指定しようとした場合、山口県が拒否すれば指定は回避できたのか」質しました。
仙石部長は「特定利用空港については、インフラ管理者と関係省庁間の間で、内容を確認して位置づけられるものである。県では市と情報共有を図るとともに、随時、ホームページ等を通じて情報提供を行いながら、国が進めている本取組の趣旨や、地元関係団体への意見も踏まえ、空港管理者として、適切に対応したものだ」と答えました。
「ルポ 軍事優先社会」には、23年10月に実施された自衛隊統合演習の際に特定利用空港に指定されている大分空港で、自衛隊の戦闘機の訓練が実施された理由について、「航空自衛隊築城基地がミサイルなどで攻撃を受けて使えなくなったので、それを想定して大分空港で訓練をした」とあります。
私は、「県は、国から自衛隊の基地が使えない場合を想定して山口宇部空港を利用することがあるとの説明を受けたのか」質しました。
仙石部長は「国からそのような説明は受けていない」と答えました。
「ルポ 軍事優先社会」には、2022年11月、日米合同統合演習「キーン・ソード23」で沖縄の与那国島の公道で16式機動戦闘車が走ったと書かれています。航空自衛隊築城基地から自衛隊輸送機で、特定利用空港に指定されている与那国空港に16式機動戦闘車が輸送されました。戦闘車は、空港を経由して、与那国島の公道を走行したということです。情報公開請求で開示された資料に、国は、16式機動戦闘車と隊員を輸送する訓練を山口宇部空港で行うこともあり得ることを認めるものがあります。
私は、「国は、県に山口宇部空港に輸送された16式機動戦闘車が、与那国島のように、周辺の公道を走行することも想定されるという説明をしたのか」と質しました。
仙石部長は「国からはそのような説明は受けていない」と答えました。
情報公開請求で開示された資料に、県は、国に「特定利用空港になることが他国からの攻撃目標になる可能性が高まるのではないか」と照会しています。
国は、「本取組を進めることにより、我が国への攻撃を未然に防ぐための抑止力を高め、我が国への攻撃の可能性を低下させる」と答えました。
国の回答は、特定利用空港の指定は、国の抑止力を強化する一環であることを認めたものです。
私は、「県が山口宇部空港について軍事目的での利用は想定されていないとの答弁を撤回しないのなら、我が国の抑止力を高める一環としての特定利用空港の指定を、空港管理者として拒否すべきだ。山口宇部空港を安全保障のジレンマを過熱させる場にすればかえって攻撃目標としてのリスクは高まるのではないか尋ねる」と質しました。
仙石部長は「国は『本取組はあくまで平素における空港・港湾の利用を対象とするものである。また、平素における特定利用空港・港湾の実態面を見ても、自衛隊・海上保安庁による利用が大幅に増加するものでもなく、新たに自衛隊の基地や駐屯地を設置するものでもないため、攻撃目標とみなされる可能性が高まるとは考えていない』とした上で、『むしろ本取組を進めることにより、我が国への攻撃を未然に防ぐための抑止力を高め、我が国への攻撃の可能性を低下させるものであり、ひいては我が国民の安全に繋がるものと考える」と付け加えているものだ。県としては、本取組は、あくまで平素における空港・港湾の利用を対象とするものと承知している。国からは、まだ現時点で具体的な訓練の内容等は示されていない、また、今後、利用調整等の場で適切に対応していきたい。国は、「特定利用空港・港湾となった後も、自衛隊・海上保安庁による平素の利用に大きな変化はなく、そのことのみによって当該施設が攻撃目標とみなされる可能性が高まると言えない』としており、県としてもそのように認識している」と答えました。
山口宇部空港を特定利用空港に指定したいとの打診を受けた段階で、県は、「特定利用空港になることが他国からの攻撃目標になる可能性が高まるのではないか」との疑問を持っていたのです。
私は、この県の認識こそ、県民の安全・安心を守ろうとする真摯なものだと考えます。
国の抑止力を高めることで、我が国への攻撃の可能性を低下させるとの説明で、国民・県民・市民は、納得していないのです。
今、全国に、ミサイル基地の設置や特定利用空港・港湾の指定が行われています。政府の抑止力論による説明に対し、それぞれの地域の市民は、「攻撃目標になる可能性が高まるのではないか」との不安を払しょくできないのです。
日本共産党の志位和夫議長が、先日行われた党の会議で、「政治の表層」と「社会の深部の流れ」に大きなギャップがあると表現していました。
志位議長は、「政治の表層」では、「右翼的潮流が社会を覆っているように見える」と指摘し、「社会の深部の流れ」では、「国民の平和の願いや、暮らしの願いや、民主主義や人権の願い、これが実現するかといえば、何一つ実現できない」「むしろどの願いとも客観的には矛盾し、逆行する」と指摘しました。
「政治の表層」では、抑止力論が跋扈していますが、「社会の深部の流れ」では、国民の平和の願いに逆行するものになっている表れの一つが、特定利用空港問題での国の抑止力論に基づく説明であり、その一方にある、県民・市民の不安の広がりだと思います。
県は、国の抑止力論に基づく説明に納得せず、県民の攻撃目標になる可能性が高まるとの不安に寄り添う立場に立つことが、県民と共に歩む県政として求められる姿勢だと思います。
これでは、「県は、国いいなりか」と県民から言われてしまう、特定利用空港に対する国の説明を受けての県の姿勢です。
引き続き、県が、県民の立場に立つ県政を行うよう、特定利用空港の問題では、県民の不安を県政に届けていきたいと思います。
県知事選挙が近づいてきました。県民の立場に立つのか、国の立場に立つのか、特定利用空港への姿勢は、そのことが問われる争点の一つだと思います。
特定利用空港の問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。
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