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医療生協健文会・平和学校2025で、「戦争できる国づくりが進む山口県内の状況」と題して報告行う

 昨日、宇部市内で、医療生協健文会・平和学校2025が行われました。

 私は、「戦争できる国づくりが進む山口県内の状況」と題して報告しました。

 医療生協健文会・平和学校で報告する私

 私が行った報告の概要は以下の通りです。

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 2025年度医療生協健文会平和学校にご参加の皆さん、紹介を受けました県議会議員の藤本です。約2年間、宇部協立病院で働いておりました。山村専務と高校時代同学年でした。様々縁のある医療生協健文会ですが、今日は「戦争できる国づくりが進む山口県内の状況」と題して、約30分お話をしてまいりたいと思います。参考文献は、中山徹自治体問題研究所所長の編著「いま、核のない世界を築くために 新しい戦前に直面する地域・自治体の役割」の内、中山先生が執筆された「戦争できる国づくりと地域、自治体」です。
 2ページ、安保法制の下で軍事力が強化されている問題です。
 日本は、憲法9条に基づき、集団的自衛権は行使できない立場でしたが、2015年安倍内閣が、安保法制を制定し、集団的自衛権行使が容認されました。その後、2022年、岸田内閣が、安保3文書を改訂し、敵基地攻撃能力の保有と軍事費GDP比2%へ増額し、一気に戦争できる国になろうとしています。
 九州・沖縄の自衛隊の増強ですが、まず、佐賀空港の横に陸上自衛隊の駐屯地が完成して、この程、オスプレイが17機配備され九州のあちこちで訓練を行っています。鹿児島県の馬毛島に、各種自衛隊と米軍の訓練ができる基地を整備中で、2030年に完成予定です。
 鹿児島県・奄美大島に奄美駐屯地が陸上自衛隊のミサイル基地が2019年度配備され、奄美駐屯地に580人、瀬戸内駐屯地に210人が配属されています。沖縄本島では陸上自衛隊2480人、航空自衛隊4040人、海上自衛隊1450人配属しています。
 沖縄県宮古島には、2019年、陸上自衛隊のミサイル部隊710人が配属されています。石垣島には、2023年、陸上自衛隊のミサイル部隊570人が配属されています。与那国島には、2016年、陸上自衛隊の電子部隊など170人が配属されています。
 3ページ、特定利用空港問題です。
 自衛隊基地の強化だけでなく、全国の空港・港湾の軍事利用が進められています。自衛隊、海上保安庁が、軍事体制強化にとって必要と判断した空港・港湾を円滑に利用できるよう関係者で「円滑な利用に関する枠組み」を設けた空港・港湾を「特定利用空港・港湾」と言います。後でも触れますが、有事も見据えた枠組みです。現在、北海道から沖縄県まで、11空港、25港湾が指定されています。
 最新情報として、読売新聞が、政府が、山口宇部空港と、仙台空港、青森空港、青森港を特例利用空港・港湾に指定する方針を固めたと報じました。これを加えると、14空港、26港湾の合計40施設になる見通しです。その他、松山空港を指定する動きがあります。
 4ページ、国が、山口宇部空港が「特定利用空港」の候補だと、初めて県に伝えたのは、昨年の10月11日でした。今年1月22日に、国は宇部市に説明しました。県が、以上のことをホームページに公表したのは、6月11日のことです。6月県議会で私と自民党の議員が質問し、土木建築委員会で質疑がされ、村岡知事は、8月7日に、確認事項を国と交わし、山口宇部空港の特定利用空港の指定受け入れを表明する記者会見を行いました。
 5ページ、8月20日に、日本共産党山口県委員会として、特定利用空港の問題で省庁交渉を行いました。この中で分かったいくつかの問題を報告します。一つは、武力攻撃事態での枠組みではないが、「存立危機事態」「重要影響事態」=グレーゾーン事態では使用することを明確にしています。「存立危機事態」とは、日本が武力攻撃されていなくても集団的自衛権の行使によりアメリカの戦争に協力して自衛隊が米軍と共に戦う事態です。「重要影響事態」とは、台湾有事や朝鮮半島有事などが想定される事態です。
 安保3文書の一つ「国家安全保障戦略」には、「有事を念頭に置いた我が国内での対応能力の強化」が必要だとし、その具体化が「特定利用空港・港湾」です。内閣府の職員が、「有事も見据えて枠組み」であることを認めました。
 内閣府のQ&Aに、「火工品や弾薬の積卸し」を行うとあります。山口宇部空港でも爆弾等の積卸しあり得ると県も国も認めています。
 山口宇部空港管理条例10条は、禁止事項を規定しています。その一つに、知事の許可を受けないで、爆発物又は危険を伴う可燃物を携帯し、運搬する行為があるとしています。
 知事は、条例に基づき、弾薬の積卸しを不許可に出来るのか尋ねたところ、内閣官房の職員は「それは可能だ」と認めました。今後は、知事に条例に基づき、毅然とした対応を求めていきましょう。
 ページ6、宇宙領域専門部隊の配備です。防衛省は、今年度中に宇宙作戦隊を作戦団に昇格させます。本部は東京の府中基地に490名体制です。その出先が防府北基地で180人体制です。防府北基地のレーダー地区が、山陽小野田市の宇宙監視レーダーです。防衛省の資料を見てください。下の写真の一番左にあるSSAレーダーが山陽小野田市の宇宙監視レーダーです。20日の国との交渉で、真ん中の衛星妨害状況把握装置を搭載した車両が防府北基地に6台昨年度までに配備されていることが分かりました。この装置は、低軌道の衛星の電磁波環境や妨害状況を把握するものです。今年度もこの装置を取得するとしています。今年度の装置はどこに配備するのかの問いに、防衛省は、「山陽小野田市のレーダー基地か、防府北基地か、府中基地かのいずれかだ」と説明しました。
 「防府市民は、衛星妨害状況把握装置を搭載した車両が6台あることを知らない。防府市民への説明会を開催すべきだ」又、「山陽小野田市にこの装置が配備された場合、山陽小野田市民への説明会を開催すべきだ」と質すと防衛省の担当者は、「地元の意向があれば、検討する」と答えました。防衛省による説明会を開催させましょう。
 ページ7、軍事的視点による土地利用規正法の適応状況です。2021年に土地利用規正法が制定しました。国が、防衛関連施設などの周辺1㌔の区間を注視区域、特別注視区域に指定しています。特別注視区域の土地など売買する場合は、総理大臣に届出が必要です。
 県内の特別注視区域は、岩国基地、防府北基地などが指定されていますが、この程、6カ所目に、宇宙監視レーダーが指定されました。
 8ページ、戦争を想定した避難計画の作成です。政府が有事に備え、沖縄県先島諸島5市町村の避難計画を発表しました。山口県は、石垣市の12611人を受け入れます。下関市が6006人、宇部市が2129人、山口市が2343人、防府市が1193人、山陽小野田市が940人です。今回の検討は先島諸島の住民12万人で、沖縄本島の130万人は対象外です。米軍基地があり最も有事になりやすい沖縄本島を計画から外す根拠が分かりません。また、米軍基地や自衛隊基地が散在する九州・山口が安全であるとは言えません。
 9ページ、有事を想定した避難所の指定状況です。国民保護法143条に、「知事は避難施設を指定しなければならない」とあります。まず、暴風等から被害を軽減する施設である緊急一時避難施設です。県内920施設が指定され、宇部市内では、小中学校、ふれあいセンター、一部の公共施設が指定ています。山口市では、地下道などが指定されています。国は、武力攻撃災害から身体を保護する堅ろうな避難施設を建設しています。今、先島諸島で建設が進められています。
 10ページ、在日米軍の再編強化として、県内にある米軍岩国基地の問題に入りたいと思います。まずは、オスプレイについて、米軍では、横田基地に空軍のオスプレイが10機、普天間基地に海兵隊のオスプレイが20機配備されています。加えて、岩国基地に海軍のオスプレイが4機配備されました。自衛隊では、佐賀空港横に陸上自衛隊の駐屯地が出来て、オスプレイが、17機配備されています。
オスプレイは相次いで事故を起こしています。23年11月には、屋久島沖で墜落事故を起こしました。24年11月にアメリカ国内で事故を起こし、米軍は、全てのオスプレイの飛行を停止しました。この資料は、飛行再開を決めた際の、米海軍航空システム司令官の指示文書の和訳です。冒頭「所定の飛行時間のしきい値を満たすか、それを超えるプロット・ローター・ギア・ボックスを搭載した航空機は、制定した「暫定飛行許可」で管理し、飛行を再開するとしています。
 岩国市選出の井原県議が、県は、米国の安全対策の内容を知っているのかと質しましたら、県の部長は知らないと答えました。
 ページ11、F35B戦闘機についてです。昨年7月に、海軍のC-2輸送機がオスプレイに変更することが国から示されのと同時に、FA18戦闘攻撃機が、F35Bステルス戦闘に機種変更するとの説明がありました。資料にあるように、国は、10機減るといいました。
 説明から1年も経たない、今年の5月、F35Bの新しい部隊が増えていることが分かりました。国や米側からの説明は全くないままです。F35Bは、常備部隊が2、ローテーション部隊が1から2に増えました。県の照会に国は、ローテーションは6か月程度だと説明しました。5月から6か月後の11月頃、岩国に駐留するF35Bは、離れるのかと県に聞くと、国から説明は受けていないと答えました。
 ページ12、米兵犯罪です。米兵の犯罪が多いことも問題ですが、日本の検察が米兵犯罪を起訴しないことが重大問題です。オール沖縄の屋良衆議院議員が、2014年から24年に、第一裁判権を放棄したケースは何件あるか質問した結果、国は、310人だと答えました。山口地検でも、13人、米軍人の犯罪を不起訴にしています。
 地位協定では、公務外では第一次裁判権は日本にありますが、日米の密約に、重要案件以外は裁判権を放棄するという約束があります。実に、米兵犯罪の8割程度が不起訴になっている状況です。
 ページ13、これは、昨日、国が岩国市と県に説明したという問題です。自衛隊と米軍の合同軍事訓練は、7月に行われたばかりなのに、9月には、レゾリュート・ドラゴンという軍事訓練を行うことを明らかにしました。問題は、この訓練の一環として岩国基地で、ミサイル発射装置のタイフォンを展開するというのです。国内では初めての展開です。日本への恒常的な配備になるかは、「決まっていない」と防衛省は答えますが、恒常的に配備になる可能性もあります。
 中国は、この装置は、核弾頭を搭載できると指摘しています。非核三原則の日本に核兵器が持ち込まれる可能性も否定できません。
 岩国市と山口県は、安全性の担保などいくつかの要請を行いましたが、国に了承する意向を示しました。
 資料14、防衛予算の急増と暮らしの予算削減の状況です。23年度から27年度まで防衛予算が43兆円確保されています。今年度は、前年度より防衛費は、約10%伸び8兆7千億円です。そのための予算を確保しなければなりません。その一つが税外収入を軍事予算にすることです。国立病院機構から422億円、地域医療機能推進機構から324億円が防衛予算になろうとしています。
 そして、歳出の見直し、特に、社会保障の拡充どころか抑制されています。昨日、私は、民医連と保険医協会と、医労連が、診療報酬を大幅アップするよう県に要請した申し入れに同席しました。昨日は、山口県医師会も記者会見を行いました。医師会が、3年前と比較して経営がやや悪いと悪いの答えた病院の割合は、200床以上の病院で82%、200床未満で76%、無床診療所で、83%だったと発表しました。医師会も診療報酬の引き上げを訴えました。野放図な軍事費の大幅増を抑えることが、医療・介護現場を良くする道です。
 15ページは、自治体の果たすべき役割です。沖縄県でも特定利用空港・港湾を指定したいとしていますが、沖縄県は拒否しています。

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