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中谷防衛相が、7月28日、山陽小野田市の宇宙監視レーダーを視察し「衛星妨害状況把握装置」も観たと発言

 7月29日、読売新聞は、中谷防衛大臣が、7月28日、山陽小野田市の宇宙監視レーダーを視察して、記者会見を行ったと次のように報じました。
 「防衛省が『宇宙領域防衛指針』を策定したのは、通信や観測、測位など国民生活を支える基盤となる宇宙領域での活動の安全を守る重要性が増し、官民での連携を促進する必要があるとの判断からだ。政府が、民間の宇宙利用の安全確保に責任を持つ姿勢を明確にし、民間投資を促す狙いもある。『宇宙空間の利用は国民生活に欠かせない基盤で、自衛隊の全ての活動における生命線だ。防衛力の抜本的強化を進めていきたい』中谷防衛相は28日、山口県山陽小野田市で宇宙空間の物体監視を担う航空自衛隊防府北基地レーダー地区を視察後、記者団にこう語った。中国やロシアは他国の人工衛星を攻撃する『衛星攻撃衛星(キラー衛星)』やミサイルで破壊する対衛星兵器(ASAT)の開発に力を注ぐ。日米などは、中露が有事に衛星への攻撃で相手国の軍事活動や経済活動を混乱させる計画を持つとみて警戒を強めている。衛星が破壊されれば、衛星を用いた測位システムや部隊間の通信に支障が出る実態も起こり得る。指針では、『宇宙利用が阻害された場合、自衛隊の任務遂行に支障が生じるのみならず、経済・社会活動が害されるおそれもある』と指摘した。民間活動を含む防衛能力の強化に向けた取組としては、ロシアに侵略されたウクライナが民間の衛星通信網を情報収集に活用している事例に触れ、日本でも民間技術を活用する方針を掲げた。中谷氏は記者団に、民間企業の関連技術への投資を後押しする考えを示し、『防衛力と経済力の好循環の創出を進めていきたい』と強調した。」
 防衛省が、7月28日に、公表した「宇宙領域防衛指針」について、同日の読売新聞は、「防衛強化の柱として、他国の衛星の運用状況や意図・能力を把握する『宇宙領域把握(SDA)』能力の向上を掲げた。キラー衛星や対衛星兵器といった脅威の兆候を探知し、日本の人工衛星を防護する能力を構築する計画だ。相手国が発射したミサイルの探知・追尾を含む戦況把握や、自衛隊内で戦況を共有するための衛星通信の堰堤的な確保も掲げた。相手国の情報通信を妨害する能力も高める。」
 私は、今年2月県議会で、防衛省の新年度予算の資料に、衛星コンステレーションの構築という言葉が取り上げられ、これについて、「目的は、スタンドオフ防衛能力に必要な目標の探知・追尾能力の獲得のため」と書かれてあることを指摘しました。
 その上で私は、「宇宙領域は、SSAからSDAへ、そして、衛星コンステレーションの構築イコール敵基地攻撃能力の獲得へと役割を大きく拡大させている。県は、国から宇宙監視レーダーについて、SDA衛星の情報を受けることはないのか、衛星コンステレーションの構築の中で、どのような役割が付加されると説明を受けているのか」と質しました。
 佐藤総務部長(当時)は、「宇宙状況監視レーダーについて、SDA衛星の情報を受けるとの説明は受けてない。また、衛星コンステレーションの構築の中で、役割が付加されるとの説明は受けていない」と答えました。
 私は、防衛省が新たに策定した「宇宙領域防衛指針」を受けてもなお、山陽小野田市の宇宙状況監視レーダーは、SDA衛星の情報を受け取ることはないのか再度、県は、国に照会するよう質していきたいと思います。
 7月28日、中谷防衛相は、山陽小野田市で行った記者会見で「宇宙領域把握に不可欠な衛星妨害状況把握装置とSSAレーダーを視察」したと述べています。
 防衛省の2025年度の「防衛省の宇宙交通管理に関する取組について」とする資料に、「令和7年度予算案において、より多様な電磁波環境の把握能力を強化するため、低軌道の衛星の電磁波環境や妨害状況を把握する能力を向上させた衛星妨害状況把握装置を取得。」とあります。この衛星妨害状況把握装置とはどのようなもので、山陽小野田市の宇宙監視レーダーのどこに設置されたのか、この装置の設置で、宇宙監視レーダーの役割はどのように強化されるのか、以上の点について、県は、国に照会するよう質していきたいと思います。
 山陽小野田市の宇宙監視レーダーは、宇宙情報把握(SSA)レーダーだとしながら、衛星妨害状況把握装置も同時に配置されるなど、宇宙領域での敵基地攻撃能力獲得のための役割を急速に担わされているように感じます。引き続き、宇宙監視レーダーの役割について調査、発言していきたいと思います。
 この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

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