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コメ農家は時給10円 安心してコメを作ることができる価格保障・所得補償が必要です

 18日、毎日新聞は、コメ農家の時給について、次のように報じました。
 「高騰する米価対策が参院選の争点となる中、『時給10円』とも言われたコメ農家の収入にも注目が集まっている。最低賃金にも満たない低水準は、なぜ生じるのか。時給10円は、農林水産省の『営農類型別経営統計』をもとにした数字だ。田んぼでコメなどを育てる農家や法人が1年間に得た農業所得を、1年間の労働時間で割って算出し、国会審議でも取り上げられた。2022年のコメ農家など1経営体あたりの農業所得は約1万円。これを労働時間の約1千時間で割ると、時給は10円となる。最新の23年のデータでは、米価が上がった影響などで農業所得は9万7千円に上昇し、時給は97円となった。元農林水産省統計部の職員で、ウェブサイト『フード・マイレージ資料室』を主宰する中田哲也さん(65)は『時給10円や時給100円は、日本の農家全体を示すものではない』と指摘する。そもそも、この調査には自分の家で食べるコメなどを主に作る小規模農家も含まれている。農業を生計の柱としない農家は農業所得も低い場合が多く、全体の時給は押し下げられる。さらに、統計の特性上、雇われた人や法人役員が働いた時間は分母の労働時間に含まれるのに対し、支払われる人件費は分子の農業所得に含まれない。このため、大規模化して雇われた人や法人役員が増えると、分母の労働時間は積み上がる一方、分子の農業所得は増えず、時給は低く計算されてしまうという。23年の規模別の時給を計算すると、小規模と言われる5ha未満の経営体はマイナス386円の赤字だった一方、5ha以上になると黒字転換し、15~20haでは、1521円まで上昇した。一般的に耕作規模が大きくなれば効率化し、時給が上がるが、20ha以上になると減少に転じ、50ha以上は727円に下落する逆転現象が起きた。ただ、中田さんは『無理に時給10円や100円と言わなくても、コメ農家が置かれている経営状況は厳しい』と訴える。同じ農水省の統計で、コメなどの農業所得を収入の柱にしている『水田作主業経営体』の農業所得は270円にとどまる。『消費者は産地や農業の置かれている状況を理解し、再生産可能なコメ価格を生産現場とともに考えてほしい』と話す。」

 日本共産党の参院選でのコメ農家対策を紹介します。
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 日本共産党は、米をめぐる危機を打開するために、市場まかせ、農家の自己責任まかせの農政を大本から転換し、主食・米の増産による安定供給をはかり、異常な米価高騰を抑えます。そのために生産者・農家への支援を抜本的に強化します。

 米の需給や価格、流通の安定に政府が責任をもつ――米は主食であり、すべての国民に年間を通じて安定した価格での供給が求められます。今回の米不足・価格高騰で備蓄米の放出を余儀なくされたのは、市場まかせ政策の破綻を意味するものです。

 ――米の需給や価格、流通の安定に政府が責任を持ちます。政府の米需給計画の作成にあたっては、気候や経済変動などで多少の需給ギャップが生じても米不足にならないよう、ゆとりある生産量を確保します。

 ――豊作などで民間在庫がだぶつき、大幅な価格下落が予測される場合は国が備蓄米の買い増しを行い、逆に米不足、流通の混乱が懸念される場合は備蓄米を放出します。

 ――世界の食料危機や気候変動に対応し、政府備蓄米の数量を現状の2倍、200万㌧以上に増やします。大量放出で備蓄米が極端に減っているもとで、それを補填するために26年産以降の備蓄米の買い入れ量を計画的に増やします。

 農家が安心して増産できる価格や所得を保障する――米は日本国民の主食です。「生産者に再生産可能な所得・価格を保障し、消費者には納得できる手頃な価格で提供する」――これは国の責任です。当面の米の増産でも、将来にわたる米生産の維持・安定にとっても、大多数の農家が安心して生産に励める米価と所得の実現は最低限の条件です。政府の強調する収入保険制度は、対象が大規模経営に限られたうえ、米価下落が続けば基準となる収入も減少し、生産コストを償わず、セーフティネットにはなりえません。

 ――米生産者に生産に要した経費と勤労者並みの労働報酬を保障する米価(農家手取り)を実現するために、市場価格がそれより下がった場合、差額を補てんする制度を創設します。当面、農家手取り60㎏あたり最低2万円~2万数千円を保障します。条件不利地域などには加算します。

 ――水田のはたす環境・国土の保全など多面的機能に配慮した所得補償を実施します。

 大小多様な稲作経営を支援する――自民党政府は米農家の激減を前提にして経営の大規模化、効率化、スマート化などを重点的に支援しています。しかし、それが可能なのは一部の恵まれた地域に限られます。大規模経営が“ポツン”と残っても、畦草刈りや水路整備などはできなくなり、地域のコミュニティも維持できず、環境や生物多様性も守れません。

 ――大規模経営とともに中小農家、兼業農家、新規参入者なども含めて大事な担い手に位置づけ、その経営が維持できるよう支援します。

 ――米作りの新たな担い手を確保するために、国、自治体、関係団体が連携し、農地や機械などの無償貸し出しなどを含め、思い切った支援を行います。

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 私も、実家で3反の水田を母や家族の協力を得て耕作しています。

 中山間地域の私の実家の周りは、耕作放棄地だらけです。

 大規模農家とともに、小中零細農家が兼業しながら農業を続けていける環境整備が国土保全の立場から必要だと思います。

 コメ問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。

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