16日、毎日新聞は、中国電力が上関町で計画する中間施設のボーリング調査が終了したと次のように報じました。
「中国電力などが山口県上関町で計画する、原発の使用済み核燃料を一時保管する中間貯蔵施設の建設を巡り、中国電は15日、予定地で建設が可能かを調べるボーリング調査の掘削作業を14日に終えたと発表した。今後半年程度かけて適地かどうか判断する。中国電によると、ボーリング調査は4月下旬に始まり、同町長島の中国電が所有する敷地(160ha)内の11カ所で実施。活断層の有無や地層が形成された年代などを調べるため、深い所で300㍍ほど掘り下げ、地下の土や岩盤のサンプルを採取した。今後の状況次第では追加のボーリング調査も実施する。2023年8月に町が調査受け入れを発表して以降、中国電は予定地が過去に巨大地震や津波に襲われたことがないかを過去の文献から調べる文献調査を進めており、ボーリング調査の結果と併せて分析し結論を出す。町に分析結果を示す際は、施設の規模や面積などの概要も示すという。中国電が適地と結論付けた場合の対応について、西哲夫町長は取材に『住民説明会の開催や議会の意見を聴くなど手順を踏まなければならず、判断時期は現時点では不透明だ』と語った。23年12月の町議会では『半年や1年とか、すぐに結論を出すのは無理だと思う』との考えを示していた。一方、建設反対を訴える住民団体の木村力代表は『瀬戸内海に核の施設を置くこと自体に反対。中国電は結論ありきではなく専門的に調べてほしい』と求めた。」
14日、朝日新聞は、西哲夫上関町長の考えを「調査を踏まえて中電が町に立地できる(適地)と判断した場合、西町長は『施設の規模はどうなるのか。(建設した場合に)町にどのような影響があるのか。事業者(中電)から提示してもらいたい』と語った。中電には『適地』の判断だけでなく、施設建設に絡む『計画概要』を提示することが、街の建設受け入れの判断には必要だという考えを示したものだ。」と報じています。
同日、朝日新聞は、村岡嗣政知事の考えを「中電が原発と中間貯蔵施設の二つの計画をいっしょに進める現状について、村岡知事は『(原発)計画を持ちながら、ほかの地域からも使用済み核燃料を受け入れるのは、齟齬があるのではないか』と疑義を呈した。両計画で出た核燃料を町内で受け入れるのは負担として大きい』として、原発から出る核燃料の扱いについて、中電側に問い合わせる考えを示した。
西町長は、現状は不透明だといいながら、中国電に「適地」調査の結果だけではなく、「計画概要」を示せというのは、限りなく中電に事業の促進を示させるものになるのではないかとの疑念を持ちます。
知事の両計画で出た核燃料を町内で受け入れるのは「負担として大きい」ので、原発から出る核燃料の扱いについて、中国電側に問い合わせるという発言は、仮に中電が、原発から出る核燃料は町外に出すと約束すれば、原発計画を受け入れてもいいとする判断を行う可能性を秘めた発言です。
私は、11月10日、周南市で行われた末田一秀「はんげんぱつ新聞」編集長による「中間貯蔵施設」に関する学習会に参加しました。改めて、日本の核燃料サイクルは、完全に破綻している現状を痛感しました。
毎日新聞の木村力さんの発言の通り、「瀬戸内海に核の施設を置くこと自体に反対」の声の通り、原発の新設も中間貯蔵施設も上関町に置くべきではないとの立場で、これからも上関原発、中間貯蔵施設問題に関し、県議会で論戦を行っていきたいと思います。
この問題に関する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
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