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山陰道建設が原因か 水不足で、棚田の作付けが出来ない 国交省が調査中

 9月27日、「はぎ時事」は、阿武町の棚田で今年度作付が出来なかったと次のように報じました。
 「農林水産省の『つなぐ棚田遺産』にも認定されている阿武町『木与の棚田』で今年5月、山陰道『木与防災』の工事の影響も懸念される『水涸れ問題』が発生し、棚田のほ場約4haで今年度の作付けを断念していたことが明らかになった。メインのほ場の収穫が全滅状態となり、棚田米としてのブランド化してきた商品も大打撃を受けた。地元の農事組合法人『木与なぎさファーム』(中野祥太郎代表理事)では、『トンネル工事が影響している可能性がある』とし、国交省に調査や補償を含めた対策を求めるよう、町に要望している。9月10日に行われた9月定例議会の一般質問で池田倫拓町議が質問した。花田町長は、すでに国交省が因果関係の調査に着手し、棚田の用水確保対策も検討していることを紹介。『これまで以上に国交省と連携を密にし、地元の要望を伝えていきたい」と語った。木与の棚田は、木与地区の国道191号線の南東にある急傾斜地『上ノ山』に位置。頂上付近からは清ヶ浜や遠岳山、野島までを一望でき、特に水を張った棚田に夕日が映る様子は絶景だという。貴重な観光資源として町のパンフレットなどにも紹介されてきた。用水は頂上から更に上の山間部を流れる木与川支流から取水し、延長2キロ、幅30センチ程度のコンクリート水路でほ場まで引き込み。『阿武の昔ばなし』によると、元は段々畑だったが、『江戸時代、測量のため阿武町を訪れた伊能忠敬の水田設計図をもとに明治時代に整備された』とされ、歴史的にも意義がある。平成7年から8年にかけて国営事業でほ場整備を実施し機械での耕作も可能になった。平成29年度に事業化された山陰道『木与防災』は、木与、宇田間を結び延長5キロの自動車専用道路。木与の棚田の南側山中を通過する。トンネルが多くを占め、東から西に向かって『第一トンネル』(全長1972メートル)『第二トンネル』(全長291メートル)『第三トンネル』(全長410メートル)と続く。すでに第三トンネルは昨年度完成。現在、第一トンネルを東端の宇田郷方面から掘削し、8月末現在、1206メートル(60%)が完了している。掘削で発生した湧水は宇田郷の田部側に流している。今後、真ん中の第2トンネルに着手する。木与なぎさファームは、木与地区の約20haの補助で水稲栽培を行っていた。このうち約4haが棚田で、他は木与の平地などにある約16haだった。木与防災の用地買収には当初から協力し、木与インターチェンジ付近、国道191号線沿いの平地『遠根』のほ場約6haを国に売却した。更に昨年度、町が木与インターチェンジ付近に工業団地『ABUファクトリーパーク』の造成を計画したため、追加で周辺のほ場約4haを町に売却。これにより耕作面積は20haから10haへと半減した。酒米などの生産は縮小したが、主力商品の棚田米を栽培する棚田4haは今年も耕作する予定だった。ところが、棚田の田植え準備に入ろうとした5月、用水を引き込む木与川の水量が激減していることが発覚。やむなく今年度の棚田の耕作を全面的に断念した。棚田の下に広がる『五郎丸』や『中枝』地区でも今年は水不足で、水量確保は苦労したという。木与なぎさファームでは、木与防災の工事による影響を懸念し、すぐに国交省や町に相談。国交省では、木与川の水量減少と工事の因果関係を調査することになった。花田町長も6月に現場を視察し、棚田の代替ほ場として元々、同法人のほ場だった遠根の『ABUファクトリーパーク』建設予定地(旧ほ場)を貸すことを決めた。用水は遠根から取水しており、問題なく耕作できた。こうして年度当初予定していた耕作面積10haを維持できたものの、遠根の旧ほ場は来年も継続して耕作できるか不透明。木与防災の工事は今後も続き、水涸れがいつ頃解消するのか全く見通せないことから、根本的な原因究明、用水確保対策を求めている。」

 私は、この記事を読んで、以下の点を、11日付で、県土木建築部に照会しました。

 ①山陰道「木与防災」工事によって、今年度4haの水田が耕作できなかったという問題で、国が調査を開始したが、県は、この状況をどう掌握しているのか。

 ②国の調査に対して県はどのように関与しているのか。

 ③国の調査の結果、道路建設が水源に影響を与えていることが判明した場合、県としても、農業者への補償と水源の確保を国に求めるべきだが、県の見解を問う。

 回答が届き次第、本ブログで報告します。

 この問題に対する皆さんのご意見や情報をお寄せください。

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