2018年5月18日、沖縄タイムズは、岩国基地で「PCB漏れ」事故が起きていたと報じました。
「米軍岩国基地(山口県)で2007~16年の10年間、ジェット燃料漏れなどの環境事故が少なくとも344件起こっていたことが、米情報公開制度で本紙が入手した内部文書で分かった。同基地は、燃料などが漏れ出しても基地内にとどめる池や水門などが設けられているが、漏れた液体は施設の外に流れ出ていた。海岸沿いに立地し、頻繁な軍用機の離着陸が見込まれるなど、岩国と共通点の多い名護市辺野古の新基地でも同種の環境事故が頻発する恐れがある。文書によると、事故の大部分はジェット燃料の漏出で、10年間に198件の燃料漏れが起き、計2万4128㍑の燃料が漏れ出た。04年4月21日には、油水分離機の過負荷で738リットルのジェット燃料が漏れた。13年7月25日には海との間の水門が保守作業中に損傷し、72リットルの油圧作動油が港湾部分に漏れ出た。このほか、ディーゼル燃料漏れや破損した燃料温度計からの水銀漏出、残留性有機フッ素化合物PFOS(ピーホス)含有とみられる油圧作動油や泡消火薬剤の漏れなどの事故も多数あった。報告書の数が極端に少ない年もあり、一部事故は非公開とされた可能性もある。辺野古新基地について、日本政府は繰り返し『環境への影響は最小限』としているが、岩国でのこうした事故報告は予防策があっても人為的ミスや予測しがたい事故による環境破壊が避けがたいことを示している。沖縄では、頻繁な台風到来と地域の生態系のぜい弱さが加わるため、新基地のリスクはより深刻となりそうだ。開示された岩国基地関連の米海兵隊内部文書には、有害物質のポリ塩化ビフェニールを示す『PCB漏れ』と記された2015年5月20日付の写真も複数あった。大型変圧器がトラックから落下し、汚染液が漏れた事故処理の過程の記録とみられ、防護服姿の米軍人らしい作業者が漏れた液を取り除き、汚染土壌を削り取る様子が写っている。写真以外にPCB漏れの詳細を示す資料は開示されていない。在日米軍は02年に全国の米軍基地内にある約3千トンのPCB含有物質を米本国に運び処理すると公表したが、その3分の2は在沖基地内に置かれている。」
日本共産党の田村貴昭衆議院議員は、今年2月28日の衆院予算委員会分科会で、米軍基地内にあるPCBの状況を質しました。
PCB保有者は電気事業法により届出と廃止が求められ、廃止後にはPCB特措法により自治体へ届出と速やかな処理が厳しく定められています。
田村議員が、現在、米軍施設区域内でのPCB含有機器やその廃棄物の残存量を質しても、防衛省は答えませんでした。
田村議員は、「米軍は日本法律を尊重せず、2022年に『米本土に搬出する』との約束を守っていない。(PCB廃棄物)が基地内に残存している可能性は大いにある」「なぜ、米軍に報告を求めないのか。国外への搬出を要求しないのか」と質しました。
防衛省が発表した「在日米軍施設・区域のPCB廃棄物と処理費用(2003年度~22年度)」によると、在日米軍全体のPCB廃棄物量は約463トンで、処理費用は4億4830万円です。岩国基地は、8トンで、約300蔓延の処理費用が使われています。
私は、これら記事や田村議員の質問を受け、13日付で、山口県に対し、岩国基地内のPCBについて①岩国基地に現時点で、どの程度のPCBが保管されていると認識しているのか②基地内のPCBがどのように処理されようとしていると県は認識しているのか③国や県が、基地内のPCBについて、要請などした事実はあるのかーについて照会を行いました。
1968年に北九州市で起きた食品公害事件、カネミ油症事件の原因物質はPCBでした。PCBに汚染された米ぬか油を食した人が肝臓障害、心臓疾患、骨の変形など多くの症状で今も苦しんでいます。
県は、国と協力し、岩国基地にどれほどのPCBが保管してあるのか調査し、米軍に対し、2022年に「米本土に搬送する」との約束が反故にされている状況への説明を求め、直ちに基地内のPCBの米本土への返還を強く求めるべきです。
全国の在日米軍基地にそして、岩国基地に大量のPCB廃棄物が残存している可能性が大いにあります。
この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。
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