18日、朝日新聞の読者欄に元中学校教員の方の次のような投稿が掲載されていました。
「教員不足を解決するため、教職調整額の引き上げや部活動の地域移行など、あの手この手が論じられている。しかし、いずれも効果は望めないと思う。部活動指導をやりたいがいために教員になった人もいる。一方で、中学校での30人学級の実現が話題にならないのはなぜだろう。教師の仕事の中心は授業だ。一つの教室に思春期の生徒40人近くを詰め込み、一人で授業を行うことの困難さを想像してみてほしい。少子化が進み出したころ、させて35人学級が実現するのではと期待したのに、実際に起きたのは学校の統廃合。すさまじい勢いだった。教員が余っている時には採用数を大幅に減らし、いずれ不足すると予想できたはずなのに対策は講じられてこなかった。40人学級になって30年以上経つ。本当に教員の負担軽減を考えるのであれば、早急に30人学級を実現すべきではないか。」
私は、この筆者の提案に賛同しつつ、日弁連が21年10月20日に出した「学校における働き改革の在り方に関する意見書」を紹介したいと思います。
この提言は、20ページにわたる長大なものですが、冒頭の一部を紹介したいと思います。
・・・
1、教員の長時間労働を抜本的に改善するため、以下の具体的施策を直ちに進めるとともに、必要な予算措置を講じるべきである。
(1)小学校・中学校の全学年において早急に35人学級を実現するとともに、引き続き更なる少人数化を実現するための具体的ロードマップを示すことによる学級規模(クラスサイズ)の縮小による教員絶対数の大幅な増加。
(2)教員一人当たりの持ち授業時間数の削減。
(3)教員数の増員を非正規職員によって行わず、かつ、既存の非正規教員の正規化を図ること。
2、教員の勤務時間をはじめとした勤務条件については、「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」(以下「給特法」という。)の下で上限なき時間外労働が放置されてきたいという深刻な状況に鑑み、同法を抜本的に見直して、労働基準法の定める最低基準を厳守し、休憩時間や持ち帰り残業及び休日労働を含む労働時間の適正な把握と上限規制並び時間外割増賃金の支払いをなすべきであり、他方で、教員の労働時間管理に当たっては教科指導・生活指導など教育の核心をなす職務についての教員の専門性に裏打ちされた裁量が確保される措置を採る等、教育の特性に配慮した速やかな条件整備がなされるべきである。
・・・
5月13日に出された中教審特別部会の「審議まとめ」は、給特法の「残業不支給制度」を継続するものでしたが、日弁連の指摘通り、教員を労働基準法の対象とし、残業代を支給する制度にすべきです。
教員の働き方改革が急がれていることは間違いありません。皆さんのご意見をお聞かせください。
No comments yet.
コメント公開は承認制になっています。公開までに時間がかかることがあります。
内容によっては公開されないこともあります。
メールアドレスなどの個人情報は、お問い合せへの返信や、臨時のお知らせ・ご案内などにのみ使用いたします。また、ご意見・ご相談の内容は、HPや宣伝物において匿名でご紹介することがあります。あらかじめご了承ください。