本日、日本共産党山口県常任委員会の学習会で、私がチューターとなり、前衛10月号に掲載された桜美林大学藤田実教授の「東日本大震災後の日本経済の再建の課題―政府・財政のグローバル企業主導政策では被災地域の産業は衰退する」を学びました。
藤田教授は、「2000年代の日本経済の成長システムの延長線上で、被災後の日本経済の再建を考えてはならないということだ」「グローバル企業主導の成長の限界と原発事故による人類の生存への不可逆的大打撃を受けた現在、新たな経済モデルを構築する必要がある」と述べ、東日本大震災後の日本経済の再建の課題を明らかにしました。
藤田教授は、「大震災後の日本経済の再建はどうあるべきか」として、低炭素・国民生活重視型経済産業システムによる日本経済の再構築が重要だとして「震災後の日本経済は、国際競争力を重視した通商国家への途ではなく、何より低炭素経済と福祉経済を軸とした経済循環の確立をめざすべきである」「過剰な労働力の投入(長時間労働)、過剰な資源投入による成長至上主義的な経済ではなく、例えば1%前後の成長率を政策目標として、所得分配を重視した経済への転換が必要である」「低炭素経済と国民生活重視を結合した経済システムの構築こそ、震災後の日本経済の追求すべき姿である」と述べました。
次に、低炭素・国民生活重視型の経済産業システムへの展望について環境関連産業の組み替えが必要だと述べました。具体的には、「低炭素・福祉国家型経済産業システムでは資源多投入型の産業構造から、自然への負荷を少なくする持続可能な産業構造への組み替えは必須となる」「日本の保有する技術を生かして、産業を組み替えるという点では、環境関連産業は有力な産業となる」と述べました。
また、ローカリーゼーションの重視が必要として「ローカリーゼーションは、人と自然の間の距離を短くして、人間的な規模の経済にしようとするもので、農業や水産業などの地域の資源を基盤とする小規模ビジネスを地域の経済循環の担い手として重視していくという考え方である」と述べました。更に、ディーセントワークの重視が必要とし「震災後の日本に求められている低炭素型社会を実現するためにはディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の実現が不可欠となる」と述べました。
藤田教授の「日本の社会・経済・産業システムの低炭素・国民生活重視型の移行こそ、震災後の日本経済を再建する最良の途なのである」との結論に納得しました。
藤田教授の震災後の日本経済のビジョンを更に学び、野田政権の政策としっかり対峙していきたいと思いました。
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