鉄道のローカル線のあり方を協議してきた国土交通省の有識者会議が国交省への提言をまとめました。1キロ当たりの1日平均乗客数(輸送密度)が千人を下回るなど利用が低迷する路線や区間について、沿線自治体か鉄道事業者からの要請で国が協議会を設置する制度を創設することなどが提言に明記されています。
この問題について中国新聞は26日、次のように報じました。
「提言で新たに盛り込まれたのは、ローカル線の沿線自治体と鉄道会社が、国が設置する『特定線区再構築協議会』(仮称)で話し合う枠組み。協議入りの目安は、1キロ当たりの1日平均乗客数(輸送密度)が『千人未満』とした。『より厳しい状況の線区から優先順位を付けて判断する』とも付け加えた。中国地方ではJR西日本が『単独で維持が困難』とする輸送密度2千人未満の赤字ローカル線が10路線21区あるが、そのうち19区間が千人を下回る。提言では具体的な区間名を挙げていないが、目安の半分に当たる『500人未満』の区間の優先度が高いとみられる。JR芸備線の三次以東、福塩線府中ー塩町、木次線、美祢線などが相当する。芸備線や福塩線を抱える湯崎英彦知事は『国の関与が盛り込まれ、一定に評価できる』としながら『より厳しい状況の線区を抽出したような形で、いかにも廃止を目的としたものに見える』とも指摘。『JR廃線のための協議会にならないように』と警戒感を示した。JR西管内で最も採算性の低い芸備線東城ー備後落合間があり、同社との協議が先行している庄原市。木山耕三市長は国に対して『特定線区になっても廃線に直結しないということを明確に示してほしい』と注文。三次市の福岡誠志市長は『新しい協議会では、市町の意見を十分に聞く機会を担保してほしい』と求めた。千人未満の5区画がある山口県の村岡嗣政知事は『沿線市町などと連携して対応したい』と説明。ローカル線の問題に国の関与を求めてきた島根県の丸山達也知事は『県の要望が一定に反映された』とした上で『国やJRの動向をしっかり注視したい』とした。」
山口県内で輸送密度が1000人未満の路線と区間は、山口線(宮野ー津和野、)小野田線(小野田ー居能など)美祢線(厚狭-長門市)山陰線(益田ー長門市・長門市ー小串、仙崎)となっています。この内、500人以下は、山口線以外の全ての路線と区間となっています。
3月8日に行った私の一般質問に三坂観光スポーツ文化部長は「昨年3月のJRダイヤ改正において、山陽線をはじめ多くの路線で減便や最終列車の繰り上げが実施されたことから、県としてJR西日本に対して、運行本数の維持・確保とコロナ収束後のダイヤ復活について要望を行ったところだ。また、本年3月のダイヤ改正やJR西日本長谷川社長のローカル線見直しに関する発言を受け、地方共通の課題として、中国地方知事会において、ローカル線の維持・存続に関する要望を行ったところだ。県としては、ローカル線が沿線住民の生活を支える重要な移動手段であるとともに、地域経済を支える重要な基盤であることから、沿線市町と連携し、JR西日本に対して、県内全てのローカル線の維持及びコロナ後のダイヤ復活について、引き続き要望してまいる。」と答えました。
湯崎広島県知事が中国新聞のインタビューに答えたように国交省の有識者会議の提言にある協議会が、「JR廃線のための協議会」になってはなりません。
三坂部長が私の質問に答弁したように、たとえ協議会が立ち上がったとしても「県内全てのローカル線の維持」を前提に議論されることが必要だと考えます。
国交省の有識者会議が協議会の設置を提言しました。この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
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