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事業者から県に「天井山風力発電所凍結」の連絡入る

 環境福祉委員会二日目、環境生活部所管の審議が行われました。

 昨日の環境福祉委員会(環境福祉部所管)に参加する私

 私が取り上げたいくつかの問題について報告します。
 第一は、天井山風力発電事業(仮称)についてです。
 長門・美祢市両境の「天井山風力発電事業(仮称)」は、総出力は最大6万3千kw、17基の風車を建設する計画です。
 同社が出した環境影響評価方法書に対し、県が昨年6月経済産業大臣に知事意見を提出していました。
 私は、17日、夕方、林哲也日本共産党長門市議から「17日、ジャパン・リニューアル・エナジー株式会社が、事業を凍結する意向を長門市に伝えたとの情報が長門市議会事務局から寄せられた。」との連絡を受けました。
 私は、20日、ジャパン・リニューアル・エナジー株式会社東京本社に電話して、状況を確認しました。
 同社事業開発部の担当者から聞いた状況は次の通りです。
 「天井山風力発電事業について、17日午後、会社として事業の凍結を判断した。17日中に、長門市と美祢市の生活環境課に電話で『事業を凍結する』意向を伝えた。20日の午前中に、県の環境アセスメントの窓口に凍結する意向を伝えた。事業凍結の理由は、地元住民の理解が得られていない計画をこれ以上進めることはできないからである。環境アセスメントの手続は新たな段階に入らないが、環境アセスメントの書類を現時点で取り下げることは考えていない。」
 私は、昨日の委員会で、「県は、事業者からどのような説明を受けたのか」質しました。
 大堀環境政策課長は「20日午前中に、事業者から電話があり、『事業を凍結したい』旨の申出があった。事業者は、『文書で凍結の意向を伝えたい』と述べていた。凍結の理由については、住民の理解が得られていないことをあげていた。」と答えました。
 私は、「事業者が県に提出する文書は、環境影響評価法上の文書か」質しました。
 大堀課長は「事業者が県に提出する文書は、環境影響評価法上の文書ではないが、詳細は、文書に記載されているものと考える」と答えました。
 天井山風力発電事業(仮称)に対しては、事業実施区域近くの美祢市・長門市両市の自治会から反対決議が上る状況がありました。美祢市議会には、地元住民の請願を受け、特別委員会が設置されました。
 私は、事業者が地域の理解が得られず、計画断念に追い込まれた状況を歓迎します。
 県内には、他にも、地域住民の理解が得られていない風力発電事業が複数存在します。反対運動に取り組む方々と連帯して、引き続き、必要な発言を行っていきたいと思います。
 次に環境影響評価法に基づく知事意見についてです。
 私の一般質問に藤田環境生活部長は「環境影響評価は、事業の可否を問うものとは位置付けられていない」と答えました。
 県は、「逐条解説環境影響評価法」に「環境影響評価は、事業の可否を問うものと位置付けられていない」ことを根拠にしています。
 私は、日本共産党県委員会と環境省との交渉の中で、森田環境省大臣官房環境影響評価課副課長に「逐条解説」の意味を問いました。
 森田副課長は、「事業が環境の保全に適正に配慮しているかどうかではなく別の観点において、事業の賛否を問うための手続きではないことを述べたもの」と答えました。
 「逐条解説環境影響評価法」にはこうあります。
 「事業の可否は、当該事業を必要とする公共性、社会性やその雇用効果、経済効果なども考慮の上、さらには時として政治的判断も加えられ、まさに総合的見地から決せられるものである。」
 つまり、「事業の可否を問うものと位置付けられない」の意味は、環境影響以外の見地で判断してはいけないということを述べたものです。
 よって、環境の保全に適正に配慮しているかどうかの見地で、知事は、事業の中止などを述べることは可能なのです。
 私は、「環境影響評価法上、知事意見として事業の中止などを求めることはできるが、県としては、事業の中止は言っていないということか」と質しました。
 藤田環境生活部長は「県としては、事業の中止などに言及していないということだ」と答えました。
 三重松坂蓮ウインドファーム発電所計画段階配慮書で環境大臣は「本事業の取り止め」に言及しています。
 県は、環境影響評価法の解釈を改め、知事意見に「事業の中止」を選択肢として含めるべきです。
 次はアブサンショウウオについてです。
 今年1月、アブサンショウウオが特定第二種国内希少動植物種に追加されました。
 私は、「アブサンショウウオを山口県の指定希少野生動植物種にすべきだ」と質しました。
 木本自然保護課長は「アブサンショウウオは、県の指定希少野生動植物種の検討対象にすべき種の一つだとは認識している。」と答えました。
 次は、環境保健センターの移転建替え問題です。
 環境福祉委員会の健康福祉部の審議の中で、環境保健センターの葵庁舎と大歳庁舎の移転建替えに向けて本年度基本計画を策定する方向性を岡厚政課長が提起しました。
 大歳庁舎には、現在、県気候変動適応センターが併設されています。
 私は、「環境保健センターの移転建替え基本計画策定の中で、気候変動適応センターも一緒に移転することを求めていくのか。」と質しました。
 山本審議監は「環境保健センターの移転建替えに合わせ、気候変動適応センターも一緒に移転するよう求めていきたい。」と答えました。

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