3月11日付、長門時事は、天井山風力発電事業について次のように報じました。
「長門と美祢との市境に位置する三隅~渋木の山中で進んでいる大型風車の建設計画に対して、『美祢市議会内部に特別委員会を設置して調査・研究してほしい』とする請願書が、美祢市内の地元3自治会から同市議会に提出された。開会中の3月定例同市議会(3月2日~22日)で審議され、請願書が採択されれば、美祢市議会内に特別委員会が設置される見込みだ。提出したのは、建設予定地に近い嘉万地区の3つの区。このうち、坂水地区(配川武彦区長・13世帯)と、隣接の半田地区(配川裕治区長・14世帯)は自治会としてすでに反対を表明。もう一つの焼の河内地区(鹿島伸好区長・3世帯)はまだ自治会としての最終判断はしていないが、隣接地区に対応を合わせたい意向という。請願者は、3地区の区長と、坂水地区の前区長で風力発電担当の山本勝彦氏の4人。代表者は山本氏。紹介市議は、地元嘉万地区の田原義寛氏をはじめ旧秋芳町選出の杉山武志氏、猶野智和氏、山中佳子さんの4人が名前を連ねた。請願書によると、『開発場所は厚東川最上流部の秋芳町嘉万に位置し、この山からの湧水は嘉万・青影・別府地域の上水道として飲料水、生活用水、また農業用水として役割を担い、この地域のなくてはならない水源となっています』とし『今回の計画によって『水流の変化、水量の減少、水質汚染などの懸念材料が多くあります』と水源問題をクローズアップ。その上で①地下水への影響はないか、水源の確保は保証されているのか②別府弁天池や半田弁天など名水と言われる湧水が汚染されないのか③工事に伴う土壌汚染による農業被害はどうかーなど、主に水問題に焦点を当てた調査、研究の必要性を訴えている。さらに『秋吉台からの景観問題』『希少動植物、生態系への影響』『落雷や山火事、プロペラ落下など様々な諸問題について幅広い調査を求めている。また、計画地周辺には『水源涵養保安林』『土砂流出(または崩壊)防備保安林』が広範囲に分布しているが、このような地域で風車の建設が可能かーとの疑問も投げかけている。美祢市議会では、教育民生常任委員会(杉山武志委員長・委員8市議)に請願の審議を付託。きょう11日開会予定の同委員会で議題に取り上げられる予定で、その結論がどうなるのかー注目されるところ。杉山委員長や、副委員長の田原氏が紹介議員となっていることもあって、同委員会での採択はほぼ確実視されている。その結果をさらに最終日(22日)の本会議で審議し市議会としての最終的な対応を決める。建設予定地が長門市側の三隅の山中にもあることから、その地元の兎渡谷自治会(吉川敏夫会長・24世帯)がすでに反対を表明し、反対を主旨とした請願書か陳情書を長門市や市議会に提出する準備を進めているところ。また、辻並自治会(山中利文会長・9世帯)は『現段階では反対』との意思を表明したまま推移(既報)。この2地区をはじめ、その周辺地区でも風車計画を取り巻く動きに敏感になっており、隣接の美祢市の市議会が請願書にどう対応していくのか―関心は大きい。長門市の市執行部サイドでも『美祢市議会で特別委員会設置となると、長門市市議会でも何らかの動きが出てくるのではないか』として、その推移を注意深く見守っている。この計画は『天井山風力発電事業』としてジャパン・リニューアル・エナジー(略称=JRE・本社=東京)が進めているもの。最大で全17基の大型風車を建設する計画。1基の高さは最大で185メートル。総出力は最大で63,000キロワット。順調に進めば5年後の2027年(令和9年)から営業運転を開始する予定だ。請願者代表の山本さんは『JRE社に対して、健康被害など色々な問題に対する資料を請求したが、真摯に対応してもらえなかった』とし『美祢市議会に特別委員会を定期的に開催して問題点を把握していただき、風力発電によって発生する被害に対する対応や補償などを市の行政側がすることがないよう十分に審議してほしい』と求めている。山本さんが大きな懸念を示しているのは特に水質、水脈の問題。『開発の際に重金属が染み出し、水脈に影響するのではーとの可能性が専門家から指摘されている』と山本さん。『これら様々な問題を知らない地区は計画に同意してしまい、取り残されてしまう危険がある』と危惧している。現在、JREは事業実施に向けて環境影響評価法に沿った『環境アセスメント』の手続きを進めているところ。その中で、昨年1月、すでに第二段階目となる『環境影響方法書』を作成、公表した。これに対する山口県知事の意見をまとめるため、山口県環境影響評価技術審査会が昨年4月に開かれ(ウェブ会議)、参考人としてJRE側も出席し、各専門の委員から方法書に対する質疑応答があった。方法書に添付された住民意見の中に『生活用水(井戸水)、水田などの水脈がかわるのではないか』との大きな不安も示されていた。これについてJRE側は『方法書時点の事業計画では地下水や水脈への影響は想定されていないため、調査項目としてない』とだけ回答していた。これに対して、委員の一人が疑義を投げかけ『住民にとって表面を流れる水ではなく、地下水が重要だということだ。これに対する回答が、(想定されていないため)とあるのは適切でない』と指摘した。さらに『開発場所は、関門層群と言われる白亜紀(1億4500万年前から6600万年前)の海成泥岩。泥岩はそのままだと何も起きないが、叩いたり、砕いたり、開発すると空気に触れて、そこから重金属が染み出てくる。これはよく知られている事象』と解説。『その場合、水脈にも影響するのではないか。水質にも影響するのではないか。水質に関してもう少し慎重にモニタリングするなり、回答するなりしてほしい』と注文を付けた。これに対してJRE側は『少し表現が不適切だったかもしれない』とし『地質の状況を十分に勘案し検討していく。今後、ボーリング調査などで地下水脈の関係なども把握できると思う。十分丁寧なフォローをしていく』と回答した。山本さんは、この点に着目。『重金属(が地下水から染み出したら、その処理はどうするのか。水質汚染にもつながっていく。大変に心配なこと』とし『特に水質や水脈などの水問題は特別委員会で慎重に審議してほしいと訴えている。」
11日、美祢市議会の教育民生常任委員会が開かれ、委員の一人である日本共産党の三好市議によると、全会一致でこの請願が採択されました。
22日に予定されている美祢市議会最終本会議で採択されれば、美祢市議会に天井山風力発電所建設に対する調査・研究を行う特別委員会が設置されることとなります。
私は、2月県議会の一般質問で天井山風力発電所の問題を取り上げました。
天井山風力発電所及びメガ発電に関する皆さんのご意見をお聞かせください。
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