今日も、赤木和重神戸大学准教授の「子育てのノロイをほぐしましょう。発達障害の子どもに学ぶ」から引用したいと思います。
赤木さんは、この本で上西充子さんの「呪いの言葉の解きかた」という本を次のように引用しています。
「上西充子さんの『呪いの言葉の解きかた』という本に、労働場面での典型的な『呪いの言葉』として『嫌なら辞めればいい』があげられています。長時間労働やパワハラ、セクハラ、残業代不払いなどについて声をあげた場合、上司や経営者から、この『嫌なら辞めればいい』という言葉が出されます。たしかに、この言葉、強力ですよね。この言葉を突きつけられると、『そんなに嫌なら辞めたほうがいい。なのに辞めないでいるのは自分なんだから、我慢しないと』と考えそうになります。しかし、本来は、辞める/辞めないの問題ではなく、長時間労働やパワハラを強いてくる経営者側に問題があるはずです。『嫌なら辞めればいい』という、一見するともっともな言葉にからめとられないようにするには、『この言葉や考えはノロイだ』と自覚することが必要です。つまり、知らず知らず自分の自由をせばめる悪意のある言葉や考えだと気づくことです。」
7月12日「全国商工新聞」の「視点」欄に赤木さんが引用した上西充子さんの「菅首相の『やぎさん答弁』」と題するコラムが掲載されました。
上西さんは、立憲民主党の山井議員が、「コロナ感染のステージ4、ステージ3でもオリンピックは開催するのか」の質問に、菅首相が「開催にあたっては、関係者が安心して参加できる大会にする」などの答弁を繰り返した問題についてこう解説しています。
「同じ答弁を棒読みする場面は国会で多くみられ、『壊れたレコード』と表現される。この答弁も、そう評することはできる。しかし、私は、このやりとりの不気味さをもっと的確に比喩で表現したいと思った。県をまたぐ移動は控えよ、人流を押さえることが大事、と政府は繰り返してきた。開会式を待たずに感染が再拡大するという試算もある。感染力の高い変異株の流入の危険もある。なのになぜ、政府は現実に向き合おうとしないのか。なぜ閉栓と、不誠実な態度を取り続けるのか。NHKの中継も入っている中で、このような答弁姿勢が政権支持率をさらに下げるとは考えないのだろうか。もしかして菅首相は、山井議員が何を問うているのか、理解できていないのだろうか。いや、まさか。しかし、では、なぜ。そんな戸惑いと不安の中で見る者を陥らせる答弁だった。そこで、童謡『やぎさんゆうびん』で、しろやぎさんから届いた手紙を読まずに食べてしまったくろやぎさんようだ、と例えてみれば、『なぜ食べちゃうの?』という戸惑いと不安をうまく表現できるのではないかと考えた。(中略)『くろやぎさんたら読まずに食べた』。内閣総理大臣として重要な意思決定を行う者がこういう答弁姿勢であるのは深刻だ。有能な部下に判断を任せているのであれば害は少ないのかもしれないが、菅首相はこだわりのある政策については異論に耳を貸さない人であるようだ。6月25日に朝日新聞が報じたところによれば、何人もの閣僚らが、この1カ月ほどの間に首相に五輪中止の決断を迫ったという。しかし菅首相は中止どころか有観客での開催に固執し続けている。何のために。国民の命と健康よりも、自らの政権浮揚の方が重要なのか。」
上西さんは、安倍首相の答弁を「ご飯論法」と名付けた方です。菅首相の答弁を「やぎさん答弁」とは流石、上西さんだと感じました。
昨日の新規感染者数は、東京で3177人、全国で9576人と過去最多を更新しました。
上西さんが指摘する「開会式を待たずに感染が再拡大するという試算もある。感染力の高い変異株の流入の危険もある。」が、現実のものとなったことが、五輪開催中の昨日、私たちの目の前で明らかになりました。
上西さんが指摘する「国民の命と健康よりも、自らの政権浮揚の方が重要な」菅内閣は、次の総選挙で、政権の座から降りてもらう結果をつくろうではありませんか。
国民の命と健康が問われるコロナ第五波の山場となった今日、「五輪中止」を検討する時に来ていることは明らかだと思います。
上西さんは、このコラムで最後にこう書いています。
「7月30日には映画『パンケーキを毒見する』も公開される。私もこの映画の中で菅首相の国会答弁を開設している。ぜひご覧いただきたい。」
映画ファンとして「パンケーキを毒見する」は、一日も早く観たい映画です。是非、実現したいと思います。
コロナ第五波最中の今、皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
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