日本共産党中央委員会理論政治誌「前衛」5月号の巻頭は、日本共産党政策委員会の山根隆志さんの「増大する日米軍事同盟の危険性ー安保法制施行5年」という論文です。
山根さんは、この論文で、安保法制のもとで日米軍事一体化と「戦争する国」づくりが加速した問題を指摘しています。
今日は、山口県と関係のある「米宇宙戦略に協力・補完する自衛隊の宇宙軍拡」について山根さんの指摘した内容を紹介します。
18年の「防衛大綱」は、「領域横断作戦に必要な能力強化」として、「宇宙・サイバー・電磁波の領域における能力の獲得・強化」を強調しています。従来の「宇宙領域を活用した情報収集、通信」などの能力をいっそう向上させるだけでなく①宇宙空間の状況を地上及び宇宙空間から常時継続的に監視する体制の構築、②機能保証能力や相手の指揮統制・情報通信を妨害する能力を含め、平時から有事までのあらゆる段階で、宇宙利用の優位確保能力の強化をうたっています。
20年度予算で「宇宙作戦隊」(定員20名)が新編され、宇宙領域における統合運用をはかるために「宇宙領域企画班(仮称)」などを新設するための費用が計上されました。
21年度予算案では、宇宙領域における指揮統制を担う部隊を新編し、当該部隊及び宇宙作戦部隊を隷下部隊に持つ「宇宙作戦群(仮称)」を新編するなどの組織体制の強化をしました。
「宇宙作戦隊」は20年5月、防衛相直轄部隊として空自府中基地に発足しました。
山根さんは、宇宙状況監視(SSM)システムを整備する中での山陽小野田市の基地について次のように指摘しています。
「自衛隊は高度約3万6千キロメートルの静止軌道を地上から監視するSSAシステムを整備中で、18年度から米軍のFMSによる技術援助を受け、21年度の完成を目指している。すでに、軌道監視用レーダー基地の建設が山口県山陽小野田市で始まっている。」
私は、昨年9月県議会で「防衛省は、山陽小野田市の照会に対して、レーダーの設計が完了し、シミュレーションを行って、運用開始前に安全確認をした後に、改めて説明会を開催したいと説明しています。レーダーの任務の重大な変更が明らかになった今、県は、防衛省に住民説明会の早期開催を求めるべきですが、お尋ねをしたいと思います。」と質問しました。
これに内海総務部長は「地元への説明については、国から、現在のレーダーの設計が終了しなければ、運用や影響などについて、具体的な説明ができないことから、レーダーの設計を終えた後に地元に対し、説明を行う旨聞いているところです。県としては、国の責任において、地元に対し丁寧に説明していただきたいと考えており、今後、山陽小野田市から要請があれば、連携して対応していくこととしております。」と答えました。
私が、先日、中国四国防衛局に電話で問い合わせたところ担当者は、「レーダーの詳細設計は3月末までに終了した。現在、本省で、電波の影響に関する検証作業が行わている。今後、山口県や山陽小野田市と調整し、地元説明会を開催したいと考えている。」と答えました。
レーダーの詳細設計が終わった今、早急に、地元説明会が開催されるよう、県は、山陽小野田市とともに、防衛省に要請すべきだと思います。
「前衛」で山根さんは、1969年に衆院本会議で採択された「我が国における宇宙の開発及び利用の基本に関する決議」に「宇宙に打ち上げられる物体及び利用は、平和の目的に限り(中略)行うものとする」という文章があることを指摘しています。
山根さんは、この文章を「憲法9条にもとづく『宇宙の平和利用』である。」と述べています。
その上で、山根さんは、今日の状況について「憲法9条を踏みにじる宇宙の軍事利用と日米協力」を加速するものだと指摘しています。
私は、引き続き、どのようなレーダーを設置しようとしているのか、防衛省主催の地元説明会の早期開催を求めていきたいと思います。
山陽小野田市に、日米の宇宙領域の軍事力強化の拠点であるレーダー基地の建設が進められています。引き続き、この問題に関する皆さんのご意見をお聞かせください。
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