私は、3月3日に一般質問で登壇し、新年度予算に関し、デジタル化の推進について尋ねました。
私は、「国は、昨年12月『自治体DX推進計画』を示したが、外部専門人材を活用するCIO補佐官の確保など、国のDX計画をそのまま実行する新年度予算である。CIO補佐官の人選と報酬について尋ねる。」と質しました。
平屋総合企画部長は「デジタル化やデジタルトランスフォーメーション、DXの推進に向けて、来年度、最高情報責任者、CIOである知事に対し、専門的見地から提案や助言等を行う民間人材をCIO補佐官として配置することとしていますが、お尋ねの人選及び報酬については、現在、相手方と調整中であるため、答える段階にない。」と答えました。
私は、「国のDX計画は、『自治体は、目標時期を2025年度としてGov-Cloudの活用に向け準備を始める必要がある』としている。県は、新年度、Y-Cloudを構築する計画であるが、事業費を示されたい。Y-Cloudは、将来、Gov-Cloudに結合するのか尋ねる。」と質しました。
平屋部長は「Y-Cloudは、本県のDXを推進するため、AIなど様々なツールが活用できるICT環境をクラウド上に構築するものであり、事業費としては、サーバやアプリケーション、セキュリティ対策費等を含めて、1億2580万円を予算に計上しています。国のGov-Cloudについては、自治体の基幹システムに係る共同利用基盤としても提供されることとなっており、現在、国において、その整備が進められている。現時点では詳細が示されていないため、結合の可否は不明だが、県としては、今後 、Gov-CloudとY-Cloudの連携について、検討を行っていくこととしている。」と答えました。
私は、デジタル化の問題点として2点指摘しました。
第一は、個人情報の保護についてです。
私は、「各自治体が情報システムを庁舎内で保有・管理している限りは、当該自治体に情報流出の被害は限定される。クラウドは複数の自治体の情報をまとめて保管しており、情報流出の被害は拡大する。県は、クラウドの構築に向け、各自治体が保有する個人情報をどのように保護しようとしているのか尋ねる。」と質しました。
平屋部長は「個人情報の保護については、国は、昨年12月、『地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン』を改定し、情報資産の分類に応じたサービス利用の判断や国際認証による評価など、クラウドサービスの利用に係るセキュリティ対策のポイントを示している。県としては、このガイドラインに基づき、適正かつ安全なクラウドサービスを選定するとともに、クラウド環境内においても、セキュリティの高い閉域ネットワークを構築するなど個人情報の保護に万全の対策を講じることとしています。」と答えました。
第二は、自治体業務のコスト削減についてです。
私は、「クラウドの共同利用が拡大した場合、特定の事業者がユーザーを自社製品で囲い込むベンダーロックインに陥るおそれがある。将来的な価格水準の上昇など、コスト削減に反する事態も生じかねないと考えるが、見解を尋ねる。」と質しました。
平屋部長は、「クラウドの共同利用に当たっては、その前提として業務の標準化を行った後、業務システムの標準仕様書を作成する。事業者は、この仕様書に準拠してシステムを開発することになるため、別の事業者においてもシステムの更新や改修が可能となり、競争原理が働くことから、将来的にもベンダーロックインが防止され、コスト削減につながるものと考えている。」と答えました。
新年度の新規事業の殆どがデジタル化に関するものです。
新年度予算において、「デジタル化の推進」に関する総額が41億7460万円です。
新年度県予算は、「デジタル特化予算」と言えるものです。
今後とも、デジタル化の問題点について発言していきたいと思います。
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ものより人を!
例えば学校、先生の数をケチってモノだけ配り、忙しくさせながら質を求める!って、可笑しいと思います。デジタル化の機具って「ちょっと便利な文房具」、学校で配布の端末って「コロナ禍対応の絆創膏」みたいなモノだはないのかと思います。
例えば自治体の窓口も!高齢者や社会的弱者は置いてけぼりになります。
人と人が接して初めて充実した生活・学び・成長ができるんじゃないのでしょうか。人を減らすための政策になることも危惧します。
個人情報保護って、法や規制を作ることで守れるという考え方は本末転倒でしょう。他者より優位に立ちたいという人間の欲望を抑えることのできる落ち着いた安定した社会の構築、無益な競争の不要な社会の構築が必要であり重要だと思います。
by 船岩 充 — 2021年3月7日 10:24 AM