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上関大橋で15年前にもPC鋼棒が破断していた

 上関大橋の室津側の路面に段差が生じ、現在でも通行規制が行われています。
 「日経クロステック」2021年2月22日掲載「橋梁点検の罠/『黙殺』された15年前の破断」は、15年前、上関大橋の長島側の巨大でPC鋼棒の破断が見つかっていたと次のように報じています。

  https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/mag/ncr/18/00122/021600001/

 「長島側の破断は、老朽化に伴う補修・補強工事のため06年2月に実施した超音波探傷試験で発見した。外観に変状が現れていたわけではない。橋の両端部でアスファルト舗装や桁の上面をはつり、PC鋼棒の頭部を露出させて試験した。長島側では、18本の鉛直PC鋼棒のうち7本が破断していた。5本は反射エコーが得られず計測不能。破断していないと確認できたのは6本だけだった。鉛直PC鋼棒とコンクリートの隙間から水が浸入。PC鋼棒が腐食し、破断したとみられる。室津側では、破断は確認されなかった。県は、『当時の調査で、長島側と室津側での違いを比較した分析は行っていない』(道路整備課)。長島側特有の事情が特定できないのなら、室津側でも近いうちに同様の破断が起こると想定するのが自然だ。ところが県は、長島側だけで補強工事を実施。PCケーブル4本を外付けして、桁を橋台に固定した。室津側では同様の対策を施さなかった。その理由について、県は『室津側では超音波探傷試験で破断が確認されず、定期点検などで外観に変状が見られんかったため』と説明する。超音波探傷試験で判別できるのはPC鋼棒の破断だけで、腐食の状態までは分からない。外観に変状が現れなくても、内部で腐食が進む。それでも、室津側の鉛直PC鋼棒が大丈夫だと判断した理由は何か。改めて県に問い合わせたが、前述の回答以上の説明はなかった。一部のPC鋼棒が破断しても、いきなり事故につながるわけではない。長島側では少なくとも7本破断した状態で持ちこたえていた。破断を定期的にチェックしていれば、今回の事故を防げた可能性がある。しかし県は06年以降、超音波探傷試験を一度も実施していない。結局、県が対策を怠っている間に室津側でも破断が起こり、桁が跳ね上がった。県の不適切な対応が透けて見える長島側の破断について、県は自ら公表していない。今回の事故後に設置した復旧検討会議(座長:麻生稔彦・山口大学大学院教授)で報道陣に公表した資料でも、15年前の破断には一切、触れていない。」
 この日経クロステックの指摘を受けて、県土木建築部に以下3点の説明を求めています。
 ①15年前の長島側のPC鋼棒の破断とはどのようなものだったのか。
 ②長島側の鋼棒破断が、室津側の点検に生かせなかった理由。
 ③今回の事故の際に、15年前の鋼棒破断について公表しなかった理由。
 県民の命を守るため、橋梁の維持管理は極めて重要な県の仕事の一つだと考えます。
 県土木建築部からの回答の内容について、本ブログで報告していきます。
 上関大橋の事故に関する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

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