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県内でのPCR検査体制の現状と課題

 9月6日付山口民報に、「コロナ禍と私の活動」と題して私が書いた記事が掲載されました。

 「山口民報」に掲載された記事を以下紹介します。

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県内でのPCR検査体制の現状と課題

 県議会議員 藤本一規

 県内で新型コロナウイルス感染症患者が100例を超えたのは8月20日。わずか1週間後の8月28日までの患者は151例。山口県は、新型コロナウイルス感染が急拡大している瞬間にあります。私は、2月県議会、4月臨時議会、6月県議会で感染拡大防止のために、PCR検査体制を拡充すべきと一貫して発言してきました。
7月28日、志位委員長は、安倍総理に「新型コロナ対策にかんする緊急申し入れ」(以下、志位委員長の緊急申し入れ)を行いました。志位委員長の緊急申し入れの内容に沿って、県内でのPCR検査体制の現状と課題について述べていきます。
 志位委員長の緊急申し入れの第一は、「感染震源地(エピセンター)を明確にし、その地域の住民、事業所の在勤者の全体に対して、PCR検査を実施すること。」です。志位委員長の緊急申し入れ後、厚生労働省は、PCR検査の対象を拡大する方針を地方自治体に示しました。
8月7日、厚生労働省は「事務連絡」で「現に感染が発生した店舗等に限らず、地域の関係者を幅広く検査することが可能」との見解を示しました。早速、厚生労働省のPCR検査対象拡大の方針が、県内に活きる状況が生まれています。
 村岡知事は、8月26日に記者会見を行い、山陽小野田市日の出地域の飲食店でクラスターが発生したと判断したとし、「同地域の酒類を提供する飲食店約70店舗のすべての従業員を対象に、8月28日にかけて、臨時の検査場所を設置し、短期間で集中的なPCR検査を実施する」ことを明らかにしました。
 県内でのクラスターの発生は初めてです。県が、感染が発生した店舗だけではなく、地域の関係者を幅広く検査することを評価します。
 その上で、冒頭引用した志位委員長の緊急申し入れにあるように、PCR検査は、酒類を提供する飲食店の従業員だけではなく、同地域の住民や事業所の在勤者の全体に対して、大規模で網羅的に行うべきであることを提起します。
 続いて、県内でのPCR検査体制の現状について報告します。表1は、宇部市内に開設される地域外来・検査センターに関する報道発表資料の一部です。
 現在、感染の疑いのある患者は、帰国者・接触者相談センター(保健所)に相談し、渡航歴、感染者との接触、濃厚接触者、行動歴や本人の症状も含め、保健所長が必要と判断した場合、帰国者・接触者外来(専門医療機関)で検体採取が行われています。
 これに加え、県は、市町等に委託し、県内8医療圏に1カ所以上の「地域・外来検査センター」の設置を進めています。地域外来・検査センターは、症状など(帰国者・接触者外来に準じる)により、かかりつけ医(登録)が必要と判断した場合、検体採取を行います。これまでに、地域外来・検査センターは、下関医療圏に1カ所(下関市内・8月12日開設)、宇部・小野田医療圏に1カ所(宇部市内・8月31日開設予定)、山口・防府医療圏に2カ所(防府市内・9月3日開設予定、山口市内・9月29日開設予定)の設置が決まりました。全ての市町に一カ所の地域外来・検査センターの設置を求めていきます。
 先日、宇部市内で開所目前の「地域外来・検査センター」を視察しました。担当者は、「看護師の確保が困難を極めている」と語りました。地域外来・検査センターで円滑に業務がスタートできるように県として看護師確保を支援すべきです。
 宇部・小野田医療圏と山口・防府医療圏の地域外来検査センターの検体は、県予防保健協会に設置された検査機器で検査が行われる予定です。先日、日本共産党県コロナ対策本部は、県予防保健協会に設置された検査機器を視察しました。
 PCR検査機器は、県環境保健センターや県予防保健協会、県立総合医療センター等の医療機関等に配置し、県内で1日に310検体が検査できる体制が整備されようとしています。
 7月1日、村岡知事など産官学関係者114人が「積極的感染防止戦略による経済社会活動の正常化に向けた緊急提言」を国に提出しました。緊急提言は、「第二波に備え、1日当たりのPCRなどの検査件数を9月末までに10万件、11月末までに20万件できる態勢の整備が不可欠」としています。全国一日10万件を県に当てはめると1日当たり約1000件となります。県内でこれまで1日当たりの最大PCR検査実施件数は8月28日の228件です。県内で抜本的にPCR検査数を増やすことが求められます。
 志位委員長の緊急申し入れに「医療機関、介護施設、福祉施設、保育園・幼稚園、学校など、集団感染によるリスクが高い施設に勤務する職員、出入り業者への定期的なPCR等検査を行うこと。」があります。東京都世田谷区は、現行の検査件数を倍加し、さらに介護や保育などの従業者に「社会的検査」を実施します。
 県は、世田谷区から学び、介護や保育従事者等への定期検査を始める時です。

(8月28日に記す)

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 9月3日までに県内での新型コロナウイルス感染症患者は178例となりました。

 引き続き、山陽小野田市や宇部市などで発生しているのが特徴です。

 8月28日以降では、9月2日、周南市で今月中旬をめどに、旧新南陽保健センター(新南陽市民病院横)に、地域外来・検査センターが設置される見通しと記者発表されました。

 引き続き、県内でのPCR検査体制の強化に向けて発言を続けていきたいと思います。皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
 私の記事が掲載されている「山口民報」をご希望の方は、1部100円でお渡しできます。藤本かずのりWEBトップページ「お問い合わせ」から私にメールをいただければと思います。

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