米軍岩国基地に住む米国人家族3人が13日午後、新型コロナウイルスに感染していたことが分かった問題について、この間の、状況と県や国の対応について報告します。
14日、山口県岩国健康福祉センターの前田所長は、米海兵隊岩国航空基地行政・連絡室に、①感染者に対し、隔離措置などの感染拡大防止対策に万全を期すこと②岩国基地関係者は、検疫体制を遵守することともに、基地内及び基地外での感染拡大防止対策を徹底すること③日本人従業員等への感染拡大防止対策に万全を期すこと④行動経路等、感染者に関する情報提供を適切に行うことを要請しました。その後、前田所長と原田岩国県民局長は、岩国防衛事務所長に、米軍岩国基地に要請したことを伝え、国の方からも米軍に働きかけることを要請しました。
感染した米軍関係者3人について、羽田空港から民間機で錦帯橋に移動していたことが分かりました。14日夜、河野防衛大臣は、記者団に対し、入国後はレンタカーで移動するとの「虚偽申告」したと指摘しました。
15日、岩国市基地政策担当山中部長は、米海兵隊岩国航空基地行政・連絡調整室長に、新型コロナウイルス感染が確認された米軍岩国基地関係者による検疫における虚偽申告に関する要請を米海兵隊岩国航空基地行政・連絡調整室長に行いました。
具体的には、①今回の行為は、感染拡大につながる重大なルール違反であり、再発防止を徹底すること②米軍において、今回の行為に対し厳格な処分を行うことを要請しました。
米海兵隊岩国航空基地行政・連絡調整室長は「こうした規則を守れなければ、我々を受け入れてくださっている地域住民の皆様のリスクを高めることになり、処罰の対象となりえる」と答えました。その後、県岩国県民局原田局長と岩国市基地政策担当山中部長は、岩国防衛事務所長に対し、今回の行為に対し厳格な処分を行うよう、国から米側に求めることを要請しました。
岩国防衛事務所長は「政府として、米側に対し、遺憾の意を伝えるとともに、事実関係の調査、再発防止及び当該感染者の適切な処分を強く申し入れたところですが、本日の要請の内容については、改めて直ちに上級期間に報告するとともに、岩国基地にも伝達する」と答えました。
15日、県コロナ感染症対策室は、米軍岩国基地での新型コロナウイルス感染患者の発生に関する濃厚接触者のPCR検査結果を公表しました。
コロナ対策室は「羽田空港から岩国錦帯橋空港まで利用した航空機においては、6名の濃厚接触者が確認された。このうち県内居住は1名であり、岩国保健所が接触状況を確認の上、PCR検査を実施した結果、陰性だった。県外居住の5名については、岩国保健所が、本人に連絡するとともに管轄の保健所に対し、PCR検査等の必要な対応を依頼している」ことを明らかにしました。
昨日のしんぶん赤旗日刊紙は、15日、玉城デニー知事が政府関係機関に在沖米軍感染拡大防止を要請したことを報じています。
記事は知事の要請内容を次のように報じました。
「今回の感染拡大は日米地位協定によって、米軍独自の判断で入国可能であることや検疫について国内法が適用されないことが大きな原因だと指摘。政府の責任で米軍に徹底した対策をとらせ、基地外への感染を防止すべきだとしました。その上で、米軍人の米国から沖縄への異動中止や、中止するまで入国する全ての関係者のPCR検査実施、普天間基地など感染拡大が続いている基地の閉鎖、基地内の日本人従業員らへの感染防止対策、感染患者の基地外の行動歴などの詳細かつ迅速な情報提供などを求めました。」
岩国基地関係者が検疫結果を待たずに民間機で岩国基地に移動した問題は、在日米軍司令部が日本の手順を遵守すると表明していたことを公然と踏みにじる行為です。その背景には、現在、米国からの入国は原則禁止されていますが、日米地位協定で米軍は出入り自由であり、日本の当局には入国拒否も、隔離措置を取る権限も与えられていないことがあります。
在日米軍感染拡大防止のために、入国や検疫の国内法を適応する地位協定の即時改定が、求められています。
日本共産党県委員会と同県議団は、20日、岩国基地内での感染者拡大防止に関し、村岡知事への申し入れを行う予定です。
この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。
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