辻井喬著「私の松本清張論」を読んでいます。
文学を深く勉強してこなかった私には難解な所は多々ありますが、清張ファンの一人として頷けるところも多々ありました。
清張が、プロレタリア文学論の影響を受けていたことを知りました。
清張は戦中、非合法雑誌「戦旗」を読むようになり、それが、特高警察にマークされ、1929年3月、20歳のときに、治安維持法違反の容疑でつかまり、拷問も受けたとのことです。
1981年に西武百貨店で行われた「宮本百合子展」の実行委員長を務めたのが松本清張でした。
その時に著者も清張さんと直接話をしたとあります。
辻井さんは、「一生を通して文学と清張の実生活の感性が離れずに、むしろ深まっていったことは大きな意義があります。清張文学の影響は、読者に世の中の動きを分析できる力を与えること、それが文学の社会的力であることを示しました。その意味では、かつてその役割を果たそうとして、弾圧され、一時的に沈黙を強いられたプロレタリア文学の流れの中に松本清張はあると言える、私は考えています。」と結論づけています。
私は、辻井さんの視点を拠り所に、今後とも松本清張を読んでいきたいと思います。
今後も清張作品の映像化は続くと思います。それをきっかけにしながら、彼の作品に触れていきたいと思います。
それと同時に、「昭和史発掘」「日本の黒い霧」シリーズなど、彼の近現代史のタブーに挑んだ作品も読み進めていきたいと思います。
清張ファンの皆さん、感想をお聞かせください。
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