議員日誌

新型コロナウイルス対策(第二次)知事に申し入れ

 日本共産党山口県委員会(佐藤文明県委員長)と同県議団(木佐木大助団長)は、昨日、村岡知事に対し「新型コロナウイルス関連肺炎対策の抜本的強化を求める緊急申し入れ(第2次)」を行いました。

第二回コロナ申し入れ

要望書を手渡す(右から河合、藤本、松田各氏)

 要望書は、健康福祉部健康増進課の松本副課長が受け取りました。
 厚生労働省の示した数式で計算した山口県の重症患者推計数は約2800人です。これに対し、松本副課長は、「現時点で確保できているのは40床である。現在、必要なベッド数を確保するよう関係機関と協議中である。」と答えました。
 軽症者・無症状者向けの宿泊施設の確保について、松本副課長は「重要な課題だと認識している」と答えました。
 一般医療機関の医師の判断で検査オーダーを行えるようにしてほしいとの要望について松本副課長は、「一般医療機関の医師が疑似症と認定した場合は、帰国者・接触者外来の医師にその情報が届けられ、帰国者・接触者外来の医師が検査するかどうか判断している」と答えました。
 以下、昨日要望した内容を掲載します。
 文書中に「要文書回答」としている項目については、4月臨時議会(4月30日)に向けての議会運営委員会開催日(4月24日)までに回答していただくよう求めました。
・・・

山口県知事
村岡嗣政様

2020年4月10日
日本共産党山口県委員会
委員長 佐藤 文明
日本共産党山口県議会議員団
団 長 木佐木大助
幹事長 藤本 一規

新型コロナウイルス関連肺炎対策の抜本的強化を求める緊急申し入れ(第2次)

 新型コロナウイルスの感染が広がる中、国は4月7日、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、兵庫県、福岡県の7都府県に「緊急事態」を宣言しました。
 山口県内でも、これまで下関市、山口市、周南市、下松市、光市の5市で計17人の感染者が確認されるなど、今後、爆発的に感染拡大する危険をはらむ極めて重大な状況下にあり、可能な限りのあらゆる感染防止策の徹底、医療・検査体制の抜本強化が急務です。
 山口県は「緊急事態宣言」を受け、感染が広がっている自治体における学校休業や企業活動・移動・イベントなどの自粛などを要請しています。感染防止に必要な行動を求めることは当然ですが、同時に多くの県民と子ども・事業者が、生活と行動を制限され、収入を断たれ、先行きが見えない苦境に追い込まれています。
 いま必要なことは、山口県が「自粛と一体で補償を行う」という立場で、感染防止・医療体制整備と、くらし・営業・子どもへの緊急支援に、総力を挙げて取り組むことです。感染防止を実効あるものにするためには、現在極めて貧弱な、自粛要請に伴う補償・支援を大幅に引き上げることが不可欠です。
 よって、改めて下記の対策を緊急に実施するよう申し入れるものです。

1、感染拡大防止、医療・検査体制の緊急強化

①感染患者の入院に対応するため、厚生労働省の重症患者推計数に見合った病床数を緊急に確保し、医師・看護師など専門職員の派遣体制を確立する。空床を確保する医療機関や職員を派遣した医療機関への減収補填などの補助を行う。
②感染患者の入院に対応する全医療機関を対象に、陰圧装置の整備や感染者の動線確保、防護服・マスク・フェイスシールドなどの配備を行う。
③人工呼吸器、体外式膜型人工肺(ECMO)の県内における活用可能台数をただちに把握し、必要台数を緊急に確保、配備するとともに、活用できる医師・看護師などの人材を確保する。
④軽症者・無症状者向けの宿泊施設を必要数確保するとともに、自宅待機での療養も併せて、必要な経費は公費で負担する。患者と家族への医療、生活支援を十分に行う。
⑤大学など研究機関や民間検査機関への協力要請、迅速検査機器の導入、臨床検査技師などマンパワーの確保で県内の検査能力を大幅に引き上げる。
⑥一般医療機関の医師の判断で検査オーダーを行えるよう徹底周知する。
⑦県内全保健所に保健師と行政職職員を増員するなど、保健所の機能強化を急ぐ。各保健所の「帰国者・接触者相談センター」にフリーダイヤルの専用回線を設置する。
⑧福祉・介護入所施設へのマスク、消毒液などの配布を、県独自に国負担に上乗せして十分に行う。
⑨国民健康保険・介護保険の、保険料・窓口負担(利用料)の緊急減免を市町村と協力して実施する。
⑩国民健康保険の資格証が、新型コロナウイルスに関する受診については保険適用となっていることを該当世帯にもれなく周知するよう市町と医療機関に徹底する。
⑪公立・公的病院の統廃合、病床削減計画を撤回するよう国に求める。県として医療体制後退につながる病院再編・統合は推進しない。

2、くらし・営業の危機への緊急支援

⑫感染防止対策として、国に対し「自粛要請と一体に補償を行う」ことを一刻も早く基本方針にすえるよう要請する。?要文書回答
⑬「緊急経済対策」に盛り込まれた地域経済や住民生活を支援し地方創生を図るための「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」(全国で1兆円)を財源にして、学校休業や自粛要請によって、経済的損失をこうむっている中小小規模事業者、自営業者、フリーランスなどに対する収入補填制度を創設する。?要文書回答
⑭「緊急経済対策」に盛り込まれた「新しい給付金制度」については、条件付きの限定給付ではなく、すべての国民を対象に1人10万円の給付金を支給する制度とするよう国に要請する。
⑮「経営安定資金」、「新型コロナウイルス感染症対応短期支援資金」、セーフティネット保証制度に係る保証料と利子を補填し、無利子・保証料無料の制度とする。据置期間、融資期間も伸ばす。?要文書回答
⑯中小企業の税や社会保険料の減免制度を、国と協力して設ける。既往債務の支払い猶予、返済条件の緩和をはかるよう国に求める。
⑰雇用調整助成金の特例措置における中小企業への補助率を10/10とするよう国に求めるとともに、国が実施するまでは国補助率との差額を補填する。申請方法の簡素化、支給までの期間の短縮を国に求める。県内事業所に制度の内容と申請手続きの方法を周知する。
⑱小学校休業等対応助成金の、1日当たり定額4100円となっているフリーランスなどへの助成を大幅に引き上げるよう国に求める。県内事業所に制度の内容と申請手続きの方法を周知し、県に申請の相談窓口を開設する。
⑲新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた生活福祉資金貸付制度の申請手続きにあたっては、柔軟で丁寧な対応に留意するとともに、迅速に貸付が行われるよう窓口である市町社会福祉協議会に要請する。?要文書回答
⑳電気、ガス、上下水道、電話・通信事業者に対し、個人又は企業にかかわらず、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、料金の支払いに困難な事情がある者に対しては、料金の未払いによる供給停止の猶予など、柔軟な対応を行うことを要請する。?要文書回答
㉑県関連イベントの中止や、県の自粛要請によって減収となった人・事業所への補償制度を設ける。イベント中止で減収となる文化・芸術関係者、団体への支援を国に求める。
㉒米軍岩国基地所属の米兵、軍属とその家族、同基地従業員で感染者が判明した場合は、「在日米軍と日本国の衛生当局間における情報交換について(2013年1月24日、日米合同委員会の覚書)」に基づいて、感染者の行動履歴や濃厚接触者など公衆衛生上必要な情報を迅速に岩国健康福祉センターに情報提供・公表するよう関係機関と米軍に要請する。?要文書回答
㉓生活支援、営業支援の制度を紹介した「県政だより」臨時号を発行する。

3、子どもと教育現場への支援

①県立学校の開休校は、科学的知見に基づき、実効ある感染対策を講じた上で判断する。市町立学校の開休校については市町の判断を尊重し、必要な支援を行う。
②小・中・高・支援学校に対し、マスク、消毒液、石鹸、非接触体温計、ペーパータオルなどを配備する。教室の換気設備(空気清浄機なども含む)を早急に整備する。
③学校再開後は、現場とよく協議し、時差通学や学級の少人数化などの感染防止措置を講じる。児童生徒への予防教育を徹底する。
④全公立学校にスクールカウンセラーを配置し、児童生徒の心のケアを行う。
⑤休校中の教育課程を新年度において無理なく履修できるよう、学校・教員に最大限の裁量を保障するとともに、必要な支援を行う。
⑥「学力定着状況確認問題」は当面中止する。
⑦保育所・放課後児童クラブ(学童保育)に対し、マスク、消毒液、ペーパータオルなどを配備する。幼児・児童への予防教育を徹底する。
⑧保育所・放課後児童クラブが学校休校などに対応できるよう、人員確保などへの補助を拡充する。
⑨県立大学の学生の収入減、アルバイトのシフトカットや雇い止めの実態を調査し、相談・支援を強める。「災害及び家計急変に伴う学費減免制度」を全学生に周知し、柔軟に適用する。
⑩県内の大学生の収入減、アルバイト減、内定取り消しなどの実態調査を行う。

4、対策にあたっての基本姿勢

①以上の対策を行うために、国の財政措置をフル活用するとともに、県としてさらなる補正予算を編成し、大規模かつ緊急に財政出動を行う。
②今後、山口県が「緊急事態宣言」の対象とされた場合は、知事が宣言にもとづく措置を講じるに当たっては、県民と県議会に十分な説明を行う。措置に伴う県民と事業者の損失は、国と協力して全面的に補償する。

以上

・・・
 引き続き、新型コロナウイルス感染症対策に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

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