ブレイディみかこさんの「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」を読んでいます。
ブレイディみかこさんは、福岡市生まれ。イギリスに住み、現地で結婚し、息子が生まれました。
息子さんは、カトリックの小学校で学び、カトリックの中学校には入学せず、ブレイディさん曰く「元底辺中学校」に通います。
息子さん=「ぼく」が「元底辺中学校」で起きる事件にどう立ち向かっていくのか、ブレイディさん=「お母さん」の目から追ったドキュメントが本書です。
本の帯にはこう書いてあります。
「優等生の『ぼく』が通い始めたのは、人種も貧富もごちゃまぜのイカした『元・底辺中学校』だった。ただでさえ思春期ってやつなのに、毎日が事件の連続だ。人種差別丸出しの美少年、ジェンダーに悩むサッカー小僧。時には貧富の差でギスギスしたり、アイデンティティに悩んだり・・・。何が正しいのか。正しければ何でもいいのか。生きていくうえで本当に大切なことは何か。世界の縮図のような日常を、思春期真っ只中の息子とパンクな母ちゃんの著者は、ともに考え悩み乗り越えていく。」
「ぼく」の言葉に読者の私も考えさせられます。
「自分たちが正しいと集団で思い込むと、人間はクレイジーになるからね」
ブレイディさんの言葉にも深い意味があります。
「分断とは、そのどれか一つを他者の身にまとわせ、自分のほうが上にいるのだと思えるアイデンティティを選んで身にまとうときに起きるのかもしれない。」
イギリスの中学校のカリキュラムの要約文に次のようなものがあるとブレイディさんは書いています。
「政治や社会の問題を批判的に探究し、エビデンスを見きわめ、ディベートし、根拠ある主張を行うためのスキルと知識を生徒たちに授ける授業でなくてはならない」
息子と友人が「緊縮」についてディベートする様子をブレイディさんはこう綴っています。
「緊縮」について友人がこう答えます。
「この国の住民は英国というコミュニティに会費を払っている。なぜって、人間は病気になったり、仕事ができなくなったりして困るときもあるじゃない。国っていうのは、その困ったときに集めた会費を使って助け合う互助会みたいなものなの」
「その会費って税金のことだよね」
「そう。ところが、緊縮っていうのは、その会費を集めている政府が、会員たちのためにお金を使わなくなること」
「こんなことしたら困っている人たちは本当に困るでしょ」
「そう。本当に困ってしまうから、いまここでみんなでサンドウィッチを作ったりしているの。互助会が機能していないから、住民たちが善意でやるしかない」
「でも、善意っていいことだよね?」
「うん。だけどそれはいつもあるとは限らないし、人の気持ちは変わりやすく頼りないものでしょ。だから、住民から税金を集めている互助会が、困っている人を助けるという本来の義務を果たしていかなくちゃいけない。それは善意とは関係ない確固としたシステムのはずだからね。なのに緊縮はそのシステムの動きを止める。だからこうやってみんなで集まって、ホームレスの人々にシェルターを提供したり、パトロール隊が出て行ったりしているの」
日本も「緊縮」になっています。
10月から消費税が増税されようとしているのに、「緊縮」は止まりそうにありません。
この本から、生き方や政治のあるべき姿まで多くの事を学んでいます。
さあ、今日は、9月山口県議会に向けての議会運営委員会が行われます。
私は、委員の一人として出席します。
「住民から税金を集めている互助会が、困っている人を助けるという本来の義務を果たしていかなくちゃいけない。」
山口県民の命と暮らしを守るため、今議会もしっかり発言しようと、準備を進めています。
県政全般に関わる皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
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